独立開業するということ
現在は、いわゆる『おうちサロン』を運営しているセラピストがずいぶん増えてきました。いくつか訪問して、運営方法やサロンのコンセプトを参考にしつつ、開業にあたっては、それぞれのセラピストのライフスタイルに合わせて、ユニークな経営を作りだしていくのが良いと思います。私の場合は、家族の意向もあり、ご近所の方やそのご紹介、セミナーに参加くださった方、限定とさていただいております。また、週三日は主人の会社での仕事もあるため、限られた日程で営業しています。
アーユルヴェーダに限らずセラピストとして独り立ちしたいという意志を持って開業したものの、生活が成り立たず、志半ばで他の仕事に変わる方もいらっしゃいます。セラピストという生業は、人の心と体に寄り添う仕事。収入を得ることは大切なことですが、収入のことだけを考えていては決して成り立たない仕事でもあります。ですから、仕事内容と収入のバランスに葛藤する方が少なくないのも事実です。
焦る気持ちから、収入を得ることや集客スピードをアップさせることに集中すると、施術もセミナーも「とりあえずこれくらいでいいか」「程々にしておこう」と結果的に仕事が雑になり、お客様からの信頼をなくすことになります。私は、お客様からいただく質問や課題を宿題と捉え、わからないことは次回までに丁寧に調べておきます。少し時間がかかっても、確実なものをお伝えすれば、結果的にお客様と自分自身の宝となるからです。
貴重な時間とお金を使って学び開業したからには、自分のペースを守って心に余裕を持った状態を保ちながら、長く続けていきたいと思っています。
開業というとサロンを構えることを考えがちですが、場所をもたずに、出張やイベント会場でセミナーを開いて、アーユルヴェーダを伝えていくことも可能です。最初から大風呂敷を広げず、自分の可能な範囲から始めることを視野に入れても良いかと思います。
いま、アーユルヴェーダの基礎化粧品を日本に紹介したいという思いがあり、いくつかの海外メーカーを検討中です。サロンのフェイシャルメニューにアーユルヴェーダの化粧品を用い、ホームケアとしてもお客様にご紹介し、トータルケアがご提案できればと思います。
つい先日、自宅を引っ越しして、片付けが一段落したら施術を再開する予定です。急がず、焦らず、今ある土台をより良いものへと発展させていくことを数年かけて続けて、アーユルヴェーダセラピストとしての自分を熟成させていきたいと思っています。
『宇宙と繋がるアーユルヴェーダ』開催
今年から、大阪で月に一度、セミナー『宇宙と繋がるアーユルヴェーダ』を開催しています。このセミナーは、セラピスト向けではなく家庭でのアーユルヴェーダ活用法で、3〜5月は基礎編として食事やオイルを使ったセルフケアについてお話しました。7〜12月は応用編として、基礎で学んだことをより詳しく深めていく内容を予定しています。今期の生徒さんは予定を大幅に超えて13名。お陰さまで満員御礼となりました。
セミナーを2回開催してみて、いくつか反省点も見えてきました。セミナーの内容は一般的なアーユルヴェーダの理論が中心ですが、受講生の方々は「こうしたケースにはどのようなケアが適切か?」など、ご自身の抱える悩みの解決法をお知りになりたいのです。13人いれば、悩みは13人分。本来なら一人一人丁寧にアドバイスしたいところですが、時間的に難しいのが現状です。
セラピストとしてより多くの内容をお伝えするために、受講者が何を求めているかをリサーチしながら内容を構築し、臨機応変に伝え方を変えていく必要があると感じています。そのため、講座内容そのものの組み立て、伝え方を工夫しつつ、試行錯誤しながらご満足いただける内容を作り上げていく努力をしています。
更年期の女性たちのために
私自身が子宮腺筋症から子宮を摘出した経験があり、また更年期の症状も体験しています。そんな経験から、『お年頃』の女性たちのブルーな心と体に寄り添う活動も開始しました。お茶を飲みながら、今体験していることを共有したり、既に乗り越えた人たちとの交流ができたらと思っています。友人には言えないことも、セラピストという専門家による安心で安全な場を私が提供することで、少しでも気持ちを楽に持っていただけることを願っています。今後は、アーユルヴェーダはじめ、様々な自然療法によるセルフケアをお伝えしていくという夢もふくらませています。