アーユルヴェーダでは「理想的な1日の過ごし方」、これをディナチャルヤ(dyna=1日、charya=方法)といい、具体的な生活実践法を教えています。
具体的には、就寝と起床のリズム、排泄、歯磨き、舌・顔の清掃、鼻・口・目の健康法、オイルトリートメント、 運動、入浴、ヨーガ・呼吸法・瞑想、朝食、外出の準備、仕事、昼休み、夕食、飲酒、性生活、睡眠、などがあり、それぞれの目的、方法、意義など、体系だてて理論的に学びます。
アーユルヴェーダで毎日をマネジメント
アーユルヴェーダは、予防医学としての健康法でもありますので、日々の生活をマネジメントすることは、とても重要視されます。根本から不調を改善するには、日々の生活に目を向ける必要があると考えるのです。お客様にセラピストとして、アドバイスやカウンセリングをする際に重要になるのは、このディナチャルヤなのです。
ディナチャルヤを実践する授業
受講者は、理論を学んだあとは、約3ヶ月かけて、一つ一つの項目を理論を意識しながら、実践をします。この科目のユニークな点は、クラス内でペアになってディナチャルヤを行うところです。
一人はセラピスト、一人は自身がディナチャルヤをするお客様役になります。ペアを代えて、全員がセラピスト役とお客様役の両方を担当します。各自がディナチャルヤを実践する間、担当になった クラスメートがセラピスト役として、変化に寄り添ってくれることになります。
一人ではさぼりがちになってしまっても、毎週チェックし、励ましてくれたり、褒めてくれたりと、アドバイスをくれる仲間がいるので、モチベーションがアップします。この体験と変化の実感は、実際にお客様にカウンセリングを行う際に重要な感覚になります。
自分で効果を実感してはじめて人に勧められる
ディナチャルヤは、なによりまず自分でやってみることが大切です。セラピスト自身が実践したことがないのでは、アドバイスにも説得力がありません。実践の際には、専用のダイアリーをつけていきます。ダイアリーには、ディナチャルヤを行なうことにより変化していく心とからだの状態を観察して、記録をします。このプロセスが特に重要なのです。
自分で行ってみて、やりやすいこととやりづらいこと、効果が出たものと出にくかったもの、などを確認していくうちに、 自分の本質や生活習慣に関するたくさんの気づきを得られます。その気づきが、変化への大きな動機づけになるのです。
そして、自分の体験したことは実感が伴いますので、実際にお客様にアドバイスをするときに、うわべだけでない役に立つ助言を行うことができるようになります。
授業の中でカウンセラー体験をする
一方で、受講生自らが初めてのアーユルヴェーダセラピスト役を体験することになります。担当のクラスメイトのダイアリーを見て、何か問題があるかどうか、アドバイスをするべきことはどんなことなのか、を判断する練習をします。同じクラスメイトとはいえ、年齢も体質も生活環境も全く異なります。そのような人に対して、どのようにアドバイスをしたらよいのかは、経験を積まなければ分からないことです。
お客様の場合でも、主婦と会社員では、取り入れやすい習慣も違うはずです。その人の体質によって、効果が出やすい習慣と出づらいものもそれぞれ出てくるでしょう。さらに、マメに色々な習慣を取り入れることができる人もいれば、どうしてもさぼりがちになったり、実践できることが少ない環境の人もいます。そんなとき、自分で実践した内容や担当したクラスメイトのディナチャルヤの内容や、授業で共有したクラス内の他のペアの実践内容が、少しでも活かせるように、色々なパターンを少しでも多く経験するために、3ヶ月という期間を設けています。
また、3ヶ月のうちには、同じ人でも色々なことがあるでしょう。忙しい期間もあれば、すこしゆとりのある時期もあるかもしれません。生活の中で、大きな変化がある人もいるかもしれません。そんな中で続けたディナチャルヤも、3ヶ月経つ頃には、何かしらの変化をもたらしているはずです。自分や担当になったクラスメイトの変化を見ながら、どういうときにどのようなことを勧め、どういったアドバイスをするのが良いのか、を少しずつ、ですが確実に学べることでしょう。
セラピストとしてまずは自分が健康になる
合わせて、自分自身の生活をマネジメントすることで、セラピストにふさわしい自分に一歩近づけるはずです。セラピスト自身が健康でなければ、お客様を癒すことなどできません。特にアーユルヴェーダの施術は、エネルギーの交換と言われます。セラピストの良いエネルギーをお客様へ伝えるためにも、自身の生活に気を配ることは大切です。
ディナチャルヤの授業を通して、知識と経験、そしてセラピストとしての生活の第一歩を手に入れていきます。
英国アーユルヴェーダカレッジの様々な授業の一部をご紹介します。
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