TOP > 108のヒント > 【デジタル×五感】なぜSNSを見すぎると「味覚」が鈍るのか?ヒント3

風を鎮め、水の潤いを取り戻す「引き算」の養生について書きました。

目を使いすぎると、味を失う

「最近、何を食べても味がぼんやりする」という人が増えています。
加齢のせいにする前に、まずは自分の「目の使い方」を疑ってみてください。
アーユルヴェーダの理論では、身体の中に「アグニ(火)」というエネルギーがあり、食べ物の代謝や情報の認知を担っています。本来、食事のときに味を認識するために使われるべきこのエネルギーが、SNSの画像や文字を追いかけることで、目にばかり浪費されています。

火は、一度に一箇所でしか燃えません。

目で情報を追いかけている間、舌の上にある食べ物は、ただの「物体」として喉を通るだけになります。
本来、味の刺激は舌から直接脳へ伝わり、そこから消化管へ「消化の準備態勢」を整えるよう指令を送ります。つまり、味を感じないということは、食べ物の消化そのものにも悪影響があるわけです。

情報という「風」が、舌を干上がらせる

SNSから流れてくる情報の性質は、アーユルヴェーダで言う「風(ヴァータ)」そのものです。
軽くて、動きが早くて、そして何より「乾燥」しています。
スマホを眺め続けることは、脳の中に絶えず乾いた風を送り込んでいるようなものです。この風が強まると、身体の潤いが奪われます。

味覚というのは、本来「水(カパ)」の性質によって守られているものです。口の中に適度な潤いがあって初めて、私たちは繊細な味をキャッチできます。

ところが、情報過多で「風」が暴走すると、舌の上の潤いは一気に干上がってしまいます。砂漠のような状態になった舌では、どれほど良い素材を食べても、その味を心で受け取ることはできなくなります。

「空(くう)」がないと、味は入ってこない

一番の根本は、心に「隙間(空)」があるかどうかです。
SNSは、私たちの日常から「空白の時間」を奪います。

料理を待つ間、お茶を淹れる間。そのわずかな隙間をスマホで埋めてしまうと、心の中に新しい感覚を受け入れるスペースがなくなります。

パンパンに荷物が詰まった部屋には、新しい風も、美味しい味も入ってこれません。
味覚が鈍っているのは、あなたの舌が悪いのではありません。心が「情報」で渋滞しているだけのことです。

今日からできる「五感の養生」

何かを足すことではありません。ただ「引き算」をするだけです。

• スマホを置く
食事の前後15分は、視界からスマホを消してください。

• 耳の養生
耳は「風」の入り口です。夜、寝る前に温かいオイルを指につけ、耳の周りを優しくさすってみてください。これだけで脳の興奮が鎮まり、翌朝の味覚が変わります。

• 白湯を味わう
朝一番に、ゆっくり白湯を飲みます。「甘い」と感じられたら、身体に潤いが戻ってきた証拠。味がしなければ、まだ「風」が吹いているサインです。

味覚を取り戻すことは、自分の体調を正しく把握することに繋がります。
「若返り」の第一歩は、こうした当たり前の感覚を取り戻すことから始まります。

【今日の一言】

まずは今夜の食事。スマホの画面を閉じて、一口目を丁寧に味わってみませんか。

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