ピッタのエネルギーが乱れる要因とその具体的な対処法について書きました。
目次
環境や習慣の偏りから起こる「ピッタ」の増悪
前回のヒント14では、風のエネルギーである「ヴァータ」の乱れと対処法についてお話ししました。今回は、それに続く2つ目のエネルギー、「ピッタ」に焦点を当て、それが乱れる要因と具体的なコントロールの方法について詳しく解説していきます。
ピッタは「火」と「水」の要素からなり、「温・油・軽・鋭」という性質を持っています。体内においては代謝や消化、変換を司るエネルギーです。生まれつきピッタの質を多く持つ「ピッタ体質」の人はもちろん、そうでないタイプの人であっても、日々の環境や生活習慣によっては、このピッタのエネルギーが過剰に増えて(増悪して)バランスを崩してしまうことがあります。
特にピッタは、他の2つのエネルギーと比べて「鋭(鋭さ)」という性質が非常に際立っているのが特徴で、これは肉体面にも性格面にも分かりやすく表れます。例えば肉体面では、消化力が非常に鋭くて大食漢であることや、目力が強いことなどが挙げられます。性格面や行動面では、頭の回転が鋭く論理的である一方、言うことがはっきりしすぎて周囲に対してきつくなってしまう傾向として現れます。
このピッタのエネルギーは、自然界の熱量が高まる「夏」の季節に最も増大しやすくなりますが、一年を通じて次のような要因によってもバランスを崩しやすくなります。

体温を上げすぎること
炎天下での活動、真昼の激しい運動、過度なサウナなどは、ピッタの「温(熱)」の性質を直接的に引き上げてしまいます。
アルコールの摂取
お酒は肝臓に大きな負担をかけるだけでなく、アルコールの持つ激しい性質によって、ピッタ特有の「鋭さ」が刺激され、怒りや憎しみといった感情が増幅しやすくなります。
食事を抜くこと
ピッタの人はもともと消化力が鋭いため、空腹になるとすぐに低血糖のような状態になり、イライラしやすくなります。
考えすぎ、怒り、憎しみ
脳を酷使して思考を巡らせ続けたり、不満を溜め込んだりすることは、心の「鋭さ」をさらに増悪させ、他人にきつく当たってしまう原因になります。
揚げ物の摂りすぎ
油分を多く含む揚げ物や炒め物は、ピッタの持つ「油」の性質を過剰にしてしまいます。
酸味、辛味、塩味の強い食べ物
お酢、梅干し、漬物などの「酸味」、生姜やニンニク、唐辛子などの「辛味」、塩分の強い味付けは、いずれもピッタの熱を高めるため、過剰な摂取は避ける必要があります。
ピッタ体質の方は、普段の生活の中で心当たりがある項目がいくつかあったのではないでしょうか。また、ピッタ体質でない方であっても、これらの環境や食生活が重なると、体内のピッタが増大して、皮膚の炎症や赤み、胃酸過多、あるいは精神的なイライラや批判的な態度といった不調に繋がりやすくなります。
「冷・乾・重・穏やかさ」を取り入れてピッタを鎮める
増えすぎてしまったピッタのエネルギーを落ち着かせ、本来の心地よいバランスを取り戻すためには、その性質と正反対である「冷(涼しさ)」「乾(適度な乾燥)」「重(落ち着き)」「穏やかさ(鋭くないこと)」を日常に意識的に取り入れることが効果的です。高まった心身の熱を少し冷まし、穏やかな環境に身を置くイメージを持つと良いでしょう。具体的には、以下のようなセルフケアの方法があります。
森林浴や水辺での散歩
涼しい木々の緑に囲まれたり、川や海などの水辺をゆったりと散歩したりすることは、ピッタの過剰な熱を物理的にも精神的にも心地よく冷ましてくれます。
サンダルウッド(白檀)やローズのアロマ・オイルマッサージ
ッタを鎮める性質を持つサンダルウッドやローズの香りは、高ぶった神経を穏やかに静めます。これらのエッセンシャルオイルやココナッツオイルなどを使った優しいマッサージは、皮膚の熱を取り除くのに最適です。
甘味、渋味、苦味の食べ物を選ぶ
ピッタの熱を冷まし、鋭さを和らげてくれる食事を選びます。具体例としては、お米や小麦、甘味のある完熟した果物、キャベツやブロッコリーなどの青パパイヤや緑黄色野菜、苦味のあるゴーヤやハーブなどがおすすめです。これらは過剰な消化力を優しく落ち着かせてくれます。
心穏やかに、少し熱を冷ます時間を作る
日常の慌ただしいスケジュールの中で、これらのケアをすべて完璧に実践しようとする必要はありません。ピッタの強い人は何事も完璧にこなそうと頑張りすぎてしまう傾向がありますが、その「完璧主義」自体がピッタをさらに高めてしまうこともあるからです。
まずは「週末に近くの水辺や公園へお散歩に出かけてみよう」「いつものメニューに、苦味のあるお野菜や、マイルドな甘味のある果物をひとつ足してみよう」といったように、できることからリラックスして始めてみてください。
日常の中で意識的に心穏やかな時間を作り、少しだけ熱を冷ましてあげる工夫が、あなたの内側にある火のエネルギーを本来の知性へと変え、穏やかな調和をもたらしてくれます。
【今日の一言】
理由もなくイライラして周囲にきき(きつく)当たってしまいそうなときや、身体に熱がこもっていると感じるときは、ピッタ(火)が過剰になっているサインです。冷たい水でそっと目を休めたり、涼しい自然の中に身を置いたりして、まずは心と身体を優しくクールダウンさせてあげましょう。
もっと養生訓を読みたい方へ
アーユルヴェーダ108の生き方ヒント(一覧)
本格的に人生を変えたい方へ
アーユルヴェーダ総合プロコース
今の自分に何が必要か、直接相談したい方へ
個別無料説明会のお申し込み











