季節や1日の時間だけでなく、私たちの「人生のステージ」ごとに変化するエネルギーのサイクルについて書きました。
目次
人生のステージごとに優位になる「3つのエネルギー」

これまでの連載では、1年の「季節の移り変わり」や「1日24時間」の中に、ヴァータ・ピッタ・カパという3つのエネルギー(ドーシャ)が影響しやすい時間帯があることをお伝えしてきました。
さらに、アーユルヴェーダでは私たちの「一生のプロセス(年齢)」の中にも、それぞれのエネルギーが優勢になる明確なライフサイクルがあると教えています。
人生の時期とエネルギーの関係は、大きく以下の3つの年代に分けられます。
・0歳〜20歳頃(子ども〜青年期):カパ(水・地)の時代
・20歳〜50歳頃(成人〜中年期):ピッタ(火・水)の時代
・50歳以上〜(中年期〜高齢期):ヴァータ(風・空)の時代
私たちは生まれてから人生を終えるまでの間に、この3つのエネルギーのバトンリレーを順に受け取りながら生きているのです。
年代ごとに現れる特徴と注意すべき不調
それぞれのライフステージで優位になるエネルギーは、私たちの肉体や心のあり方、そしてかかりやすい不調の傾向に色濃く影響を与えます。
・0〜20歳頃[カパの時代:肉体を育むとき]
この時期は、何もない状態から骨格や筋肉を作り上げ、肉体を大きく成長させる時期です。そのため「結合と構造維持」を司るカパのエネルギーが最も優位になります。子どものお肌がいつもツヤツヤでモチモチと潤っているのは、カパの潤いと重さの性質そのものです。この時期は、胸から上の領域(呼吸器系)にカパの重さが溜まりやすいため、鼻づまり、アレルギー性鼻炎、喘息といった症状に注意が必要です。
・20〜50歳頃[ピッタの時代:情熱と情報を消化するとき]
この時期は、社会に出て働き、キャリアや家庭を築いていく人生の「働き盛り」の季節です。「消化と変換」を司るピッタが優位になります。単に食べたものを消化するだけでなく、外界からの膨大な情報や経験を脳で消化・吸収し、自分の知識や成果へと変換していくエネルギーが最も高まります。この時期は、知的な情熱が湧く一方で熱性がこもりやすいため、胃潰瘍、胃炎、腸炎、皮膚の炎症といったピッタ性の不調に注意が必要です。
・50歳以上〜[ヴァータの時代:乾きと変化を深めるとき]
50歳を超えると、人生は「運動と変化」を司るヴァータが優位になる成熟の時期へと移ります。ヴァータの「乾・軽・動(不安定)」という性質が身体に現れ始めるため、肌の乾燥やシワ、関節のこわばりや痛みが目立つようになるのもこの時期です。
また、朝早く目が覚めてしまったり眠りが浅くなったりするのは、睡眠をサポートする重さが減り、ヴァータの「不安定さ」が増すためでもあります。生殖器系のトラブル、乾燥による慢性的な便秘、神経系の不調などに注意が必要になります。
自分の「人生の現在地」に合わせてセルフケアを選ぶ
このように、私たちは1日、1年(季節)、そして一生という3層のエネルギーの波の中に包まれて暮らしています。自分が今どのライフステージにいて、どのエネルギーの影響を最も受けやすい環境にあるのかを客観的に観察し、常に心身の調和を保とうとすることこそがアーユルヴェーダの本質的なアプローチです。
ご覧になっているみなさんは、今おいくつでしょうか。
10代や20代の方、まさに社会の第一線で情熱を燃やしている方、そして50代を超えて人生の深みや落ち着きを感じている方など、様々な年代の方がいらっしゃると思います。
もし「まさに今の自分の年代のエネルギーが増えすぎているな」と感じたら、その増大したドーシャを鎮めるために、正反対の性質を日常の食事や過ごし方から意識的に取り入れてみてください(各ドーシャの詳しい性質や整え方については、ぜひ「ヒント13〜16」も読み返してみてくださいね)。
自分の人生の現在地を受け入れ、それぞれの年代ならではのエネルギーを味方につけながら、人生のあらゆるステージを健やかに、自分らしく重ねていきましょう。
【今日の一言】
年齢を重ねることは、受けるエネルギーが「変化」していく自然なプロセスです。今の年代が持つエネルギーの個性を正しく理解し、足りない性質を補ってあげること。それが、いくつになっても芯から美しい生き方を支えてくれます。
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