アーユルヴェーダでは、病気の予防や、健康維持のために、ドーシャバランスやアグニ(消化力)を整えるためのアプローチを重視しますが、それと同じくらい大切なことのひとつに、アーマ(未消化物)をためない、ということがあります。今日はアーマについて学んだ内容を少しご紹介します。
目次
アーマとは
アーユルヴェーダでは身体の中に溜まった未消化物のことをアーマ(ama)と呼びます。アーマは「未消化物、毒みたいなもの」と表現され、すべての病気のもとになると考えられています。アーマは「重性・液体・油性・粘性」という性質があり、これはカパと似たような性質です。
アーマができる原因
アーマは、私たちの消化力(agni)に問題が生じることによってできてしまいます。消化力が弱っているときはもちろん、消化力が不規則になったり、あるいは、消化力が強すぎる場合もアーマができるといわれています。具体的にアーマができやすくなる理由の一例をご紹介します。
アーマができる原因
- 前に食べたものが消化される前に食べる
- 嫌いなもの、食べたくないものを食べる
- 冷たすぎる食べ物を食べる
- 胸焼けするようなものを食べる
- 間違った方法での食事(立ち食いや大きな声で話しながら。。等)
- 怒り、悲しみ、恐怖といった感情
- 生理的欲求を我慢する(トイレ等)
- 運動不足
- 寝すぎる
お腹が空いていなくても、おいしそうなものを見るとついついつまんでしまったり、食事の時間だから、とお腹が空いていないのに食事をすることはないでしょうか?!
また、怒りや悲しみ、恐怖、そしてストレスなどのネガティブな感情や不満足感があったり、そのような感情を持ちながら食事をすることも、アーマができてしまう理由となります。また現代的には、農薬や添加物、アルコールなど体内で分解しにくいものもアーマになるといわれています。
アーマがたまるとどうなるか?(体と心のアーマ度チェック)
アーマがたまっていると、体や心に様々なサインとして表れてきます。そこで「体と心のアーマ度チェック」として、いくつか項目を挙げますので、当てはまるものをチェックしてみてください。
<体のアーマ度チェック>
- 食事時でもお腹が空かない、食べることに意欲がない
- 食べてもあまり味を感じない
- 胸やけや酸っぱいものがこみ上げてくる
- 舌に苔がたまっている
- 口内のネバネバや歯槽膿漏、口内炎がある
- ニキビや吹き出物などの肌湿疹がある
- 尿の濁りがある
- 慢性的な下痢や便秘がある
- おならの臭いや口臭、体臭が強い
- 疲れやすい
- 身体が重い
- 頭痛や関節の痛みなど身体に痛みがある
- ネバネバした便が出る
<心のアーマ度チェック>
- 集中力や注意力の低下気味
- やる気がでない
- 心配で、気持ちが落ち着かない
- 理由もなくイライラしたり、人の欠点が目に付く
- 肯定よりも否定が多い
- 物事に興味がわかない
- 眠れな
- 怖い夢や不安な夢をみる
- 過去のことを思い出して、いつまでも後悔する
いかがでしたか?当てはまる項目が多いほど、アーマが蓄積されており、ほとんど当てはまらないという方は、アーマが少ない状態ということになります。アーマがない、または少ないと、体が軽くやる気も出て、排便もきちんとされる、心身ともに元気な状態で過ごすことができます。
では、アーマが溜まった時にはどうのように対処すればよいのでしょうか?
アーマが溜まった時の対処法
アーマが溜まった時は、溜まった毒素を体の外に排出すること!いわゆる、「デトックス」が必要です。そして、デトックスをするためには、まずアグニを上げる必要があります。
白湯を飲む
朝一番は、白湯ではなく、常温の水が好ましいですが、その後は意識して白湯を摂るようにしてみましょう。白湯は消化力を高める作用があります。ゆっくり飲むと腸の働きを良くし、尿量を増やし毒素の排出を促します。
断食をする
断食は、体だけではなく心のアーマも取り除いてくれるといわれていますが、体質(ヴァータ・ピッタ・カパ)や体調にあわせた方法で行うことが大切です。カパ体質の方は「重い」「遅い」「油性」などの性質が優勢でアーマを溜まりやすいため、定期的に行うとよいでしょう。ヴァータ体質やピッタ体質の方は、体調を考慮しながら行ってください。完全な断食ではなく、重湯や野菜スープだけをとる方法もおすすめです。ただし、極端な断食や、急な断食は逆に体調を崩す恐れもあるので無理せず、正しい方法で行ってくださいね。
浄化療法(パンチャカルマ)をする
浄化療法はアーユルヴェーダにおける医療行為ですので、専門医師の診断の元に一人ひとりの体質、体調に合った方法で行われます。正しく浄化療法をおこなっている施設で受けましょう。
1年に1度できると理想的だといわれています。
食事を整える
お腹が空いてから食べる、腹八分目を心がけましょう。(深夜はNG)
消化に負担のかかる重いもの、脂肪分の多い食物も、特に消化力が弱い朝夕は控えましょう。また、アーユルヴェーダでは、体質に合った食材や調味料があります。
3ヵ月実践コースでも学びますが、一般的に体に良いと言われるものでも、体質によっては合わずアーマになりやすい食材もありますので注意が必要です。
運動をする
代謝や消化力の上がるような運動を適度に行いましょう。
運動はリフレッシュにもなりますので、心のアーマがある方にもおすすめです。
特にカパ体質は「安定」の性質があり、運動不足になりがちで太りやすいので、軽く汗をかくぐらいの運動をおススメします。
発汗法
半身浴などで、汗をかく習慣を持ちましょう。アーユルヴェーダでも、ハーブバスやスチームバスといった方法で、発汗させるケアがあります。サウナやヨモギ蒸し、岩盤浴などをうまく活用するのもよいかもしれません。
スパイス・ハーブ
苦味、辛味のあるハーブやスパイスにはアーマを減らす作用があります。
ショウガやペッパー、ターメリックなどを調理に取り入れましょう。
瞑想
ネガティブな思考から離れ、心のアーマをデトックスしましょう。
生活する中でアーマは溜まるものですが、溜まったアーマをいかに上手に体の外に排泄するかがポイントとなります。日頃からストレスを溜めないような考え方や自分にあった発散の方法、お腹が空いてから食事をするなど少し気をつけるだけでアーマを溜めにくい身体に変えられるかも知れません。気になった方はできることからはじめてみてくださいね。
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ライター&編集担当
春田早希子
三重県出身。カパ体質のゆっくりマイぺースだが、こだわりは強め。
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大学卒業後、地球一周船旅に乗船、現在のパートナーと出会うきっかけに。様々な国を訪れ自分がいかに恵まれた国、環境に生まれ育ったかを痛感。帰国後はフェアトレード専門店に7年勤務し結婚を機に退職。新婚旅行で東南アジアあたりを約4ヵ月かけて巡るバックパッカーの旅へ。旅で立ち寄ったインドやスリランカでアーユルヴェーダに興味が湧く。帰国後は東京に移住。中小企業3年勤務後退職し、英国アーユルヴェーダカレッジ49期入学。2022年5月卒業。さらに知識を深め、自分に出来る方法で誰かの笑顔のためになりたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。