3月 21 日は春分の日。地球上のどこにいても昼と夜の長さが同じになる日といわれていますが、
この記事を書くにあたり厳密には昼の方が少し長いということを知りました。
祝日法上では春分(太陽が春分点を通過する瞬間)を含む日のことを「春分日」とし、
「自然をたたえ、生物を慈しむ日」とされているそうです。
ところで今年は10年に一度レベルの花粉の大量飛散ということですが、皆様体調はいかがでしょうか?
花粉症やアレルギー症状などでお悩みの方も多いかと思いますので、今月は「見たことあるけど何だかめんどくさそうで手にしたことがない」といった声を聞くことが多い【山菜】を使って 7分で2品 作れるレシピを紹介します。
目次
春の不調とカパ
まずは、先月のおさらいから。
☑春先に風邪を引きやすい
☑花粉症やアレルギーからくる鼻水や鼻詰まり
☑痰が絡む
☑眠くて仕方ない
☑身体が重だるい
☑心がどんよりしている
☑濃い味付けのものを好む
☑やらなきゃいけないことがあるのに先延ばしにしてしまう
このようなことに悩まされているという方はいませんか?!
これらは、冬の間に雪が降り積もるように体内で蓄積されたカパエネルギーが春になり雪山から雪解け水が流れるように体内で冷え固まっていたカパが溶け出しているという症状です。
本当は冬の間の過ごし方を気をつけるのが一番なのですが、それは次の冬の課題として置いておいて、今からすぐにできることをお伝えしますね。
春に乱れやすいカパのバランスを整えるのは
【辛味・苦味・渋味】【軽性・乾性・熱性】の組み合わせです。
反対に【甘味・酸味・塩味】【重性・油性・粘性・冷性】はカパエネルギーを増やしますので摂り過ぎは注意です。
花粉症など先述の症状が既に出ている方は、症状がおさまるまでネバネバした食材、大きな動物の肉、生魚、冷たいもの、乳製品、スイーツをやめてみてください。デトックスのつもりで生野菜ジュースやスムージーなどを朝ごはん代わりにとると、逆に調子が悪くなるなど(五月病や夏バテ、便秘等)更にカパが蓄積されるのでくれぐれも気をつけてください。
「じゃあ、何をどう食べたら良いの?」
大事なことなので何度も言いますが、心身ともにバランスを整えるのに便利なのが旬のものをシンプルに調理して食べることです。旬の野菜を意識するだけで、自然とドーシャの乱れを整える味が摂れます。
春はデトックスの季節です。苦味のある食材を摂ることは溜まった毒素を排出することや味覚を刺激することに役立ちます。
「何故旬を意識すると良いのか?」ということについては前回の記事をご参照ください。
「春の皿には苦味を盛れ」
おすすめはやはり山菜です。
アーユルヴェーダを何も知らないという人でも、春の山菜が冬の間に溜め込んだ老廃物や脂肪の排出に役立つということは見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
とはいえ、「山菜って調理したことない」って人も多いのでは?
私自身、アク抜きとか下処理がめんどくさそうだなぁとずっと思っていて、初めて手にするまで長く時間を要したものの一つが山菜です。ですので、今回はとにかく簡単にできるレシピをご用意しました!
使うのは春の使者の異名を持つ「ふきのとう」と、生でも食べられる「うるい」です。
ふきのとうの栄養素の話
ビタミン
E、 K 、 B1 、 B2 、葉酸などが含まれていて代謝を活発にしてくれたり、抗酸化作用があったりと、老化予防に効果があります。ビタミン E は細胞老化や女性ホルモンの分泌に、ビタミン K は歯や骨、血液の健康にも大きく関わるなど(先月も少し紹介しましたが)女性にとって必須でこれらはサプリメントより食べ物から摂ったほうが良い栄養素でもあります。
カリウム
体内の余分なナトリウム塩分 、老廃物を排出してくれる。むくみの軽減や高血圧に効果があります。
3 つの苦み成分
・アルカロイドは肝機能を強化し、新陳代謝を促進する作用があるので、体内に蓄積された有害な物質を排出することができます。
・ケンフェロールは活性酸素の除去や動脈硬化の予防、余分な脂肪を燃やしメタボを予防、強い抗酸化作用により免疫力を高めるといった効果があります。
・フキノール酸は咳止め効果の他、血液中のヒスタミンの働きを抑えてくれる働きがあるので、花粉症などの症状を抑える効果もあります。
香り成分フキノリド
フキノリドには消化液の分泌を促進し、胃を丈夫にして腸の働きを整える働きがあります。
え、ふきのとうってすごい!って思われた方も多いのではないでしょうか。でもこれはふきのとうのすごさのほんの一部です。つまり、ふきのとうを食べないなんて損!ということです。
今月のレシピ1「ふきのとう味噌」
【材料】
ふきのとう | 6個くらい |
生姜 | 6ミリほどのスライスを1枚 |
米油 | 大1と1/2 |
A 麦味噌(おうちにあるお味噌でOK) | 大3 |
A みりん | 大2 |
A 素焚糖 | ふたつまみ(なくてもOK) |
【下準備】
1.A を混ぜ合わせておく
2. ふきのとうは水にさらしておく
※アクが気になる方は茹でこぼしてから使ってください。
【作り方】
1. 生姜をみじん切りする
2. ふきのとうを手早く粗みじん切りする
3. フライパンに米油と生姜を入れ中火にかける
4. 香りが立ったらふきのとうを投入し 1 〜 2 分炒める
5. 一旦火を止め 1 の調味料を加え混ぜ合わせてから弱火にかける
6. 好みの硬さになるまで水分を飛ばしたら完成。
粗熱が取れたら清潔な瓶などの保存容器に入れて密閉し、冷蔵保存なら1 ヶ月くらいで食べ切ってください。
(冷凍もできます)
【一言メモ】
ごはんのお供にはもちろんですが、蒸し野菜にもあいます。蒟蒻や厚揚げで田楽にしてみたり蓮根やじゃがいもなどに塗って焼いたり。。とても使い勝手が良いので是非色々試してみてくださいね。
今月のレシピ2「うるいの浅漬け」
【材料】
うるい | 1~2本 |
塩 | 小1くらい |
塩昆布(できれば無化調のもの) | ふたつまみ |
【作り方】
1. うるいを 3cm くらいに切る
2. 塩をまぶし 10 分くらい置く
3. キッチンペーパーなどで水気を拭く
4. ジップ付きの袋に塩昆布と一緒に入れ冷蔵庫で 30 分以上寝かす
【一言メモ】
びっくりするほど目分量ですがちゃんとおいしくできあがります!半日程寝かせたらよりしっかり味がつきます。
お好みで赤唐辛子の輪切りや柚子皮、刻んだ金柑を加えても美味しいです。
うるいはとても扱いやすく、シャキッぬるっとした食感が楽しい山菜です。お浸しや炒め物にもサッと使えるので気軽に手にしてみてください。
最後に
アーユルヴェーダでは、作ってから時間が経ったものはタマスの質が増えるので良くないとされているため、食材の冷凍や保存食などに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。ただ、個人的にはそれにこだわり過ぎてフードロスを増やすくらいなら食材を冷凍しておいたり、保存食や常備菜を仕込んでおくこと、なるべく早く食べようというくらいの心持ちでいる方が平和だなと感じています。
アーユルヴェーダの教えは人生を豊かにする為のツールであってルールではありません。
もっと気軽に楽しみながらできることから取り入れてみてくださいね。
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ライター&編集担当
愛媛出身、大阪在住。ハマったらとことん!美味しいものと楽しいこと美しいものが好き、極力体力消耗したくないヴァータ強めのインドア派。
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意外と地道にこつこつタイプです。元々自炊は苦手。
アーユルヴェーダと栄養学を学んでから、体質や体調、季節にあったものを選ぶだけで勝手に栄養バランスも取れることに気付き、すごくシンプルな食生活となり、おうちごはんも楽しめるようになりました。
歳を重ねるごとにより快適により楽により良く美しくなる、そんな穏やかで豊かな人生を送る「智慧」を独り占めせず、ひとりでも多くの人に届けられる人で在りたいです。
英国アーユルヴェーダカレッジ認定 アーユルヴェーダビューティーセラピスト/ライフカウンセラー
日々の食事等はInstagramに載せてます