新型コロナウイルス感染予防ガイドライン

旬の食材でドーシャの乱れをトトノエル~夏至の頃の食事~

The College of Ayurveda

TOP > スタッフブログ > 旬の食材でドーシャの乱れをトトノエル~夏至の頃の食事~


6月21 日は夏至。北半球において一年のうちで昼の時間が最も長くなり、太陽の南中高度が最も高くなる日。太陽の力が最も強まる日とも言えます。この時期の日本において乱れやすいドーシャは何だと思いますか?

太陽が強いということはピッタ?
とはいえ梅雨でジトジトしているからカパ?
変わりやすい天気や室内外の温度差もあるしヴァータ?

これらはどれも正解なのです。
どのドーシャも乱れやすい時期ということは、全ての人にとって自分をいたわる時間を意識的に作ることが、特に功を奏す時期でもあります。

今回は、この時期に感じやすい不調を取り除いてくれる、今が旬の「紅ずいき」を使ったレシピをご紹介します。

夏至の頃に感じやすい不調

アーユルヴェーダでは、この時期の不調として「体内に湿気や熱が籠りやすくなる」と表現しています。まずはこの「体内に湿気や熱が籠る」ということについて解説していきたいと思います。

体内に湿気が籠る

このぐらいの季節なると、低気圧の影響や冷房による冷えなどによって、むくみが出やすくなったり、季節的には汗をかく季節なのに、汗をかけないといった不調が表れることはないですか?!体内に湿気が籠るとは、このような不調を意味します。ドーシャでいうとカパ(水)とヴァータ(風)の乱れを表します。

体内に熱が籠る

夏が近づくにつれて、赤みのある発疹が出たり、のぼせ、充血、化膿などの不調を感じる方もいると思います。これは、ピッタ(火)の問題が出ている状態です。また、ピッタの問題が出ている時には、同時に血液も汚れやすくなるため、体内に熱が籠っているときには、血液を綺麗にすることも意識しましょう。

アーユルヴェーダを学んでいると体内の湿気や熱といった 「概念的・抽象的」とも取れる表現がよく出てきますが、個人的には古典の訳をそのまま覚えるのではなく、実際に身体や心にどのようにあらわれるのか?といったことを考える癖をつ けると益々面白く、分かり易くなると感じています。

ずいきとは

漢字だと「芋茎」と書き、簡単にいうと里芋などの葉柄のことです。旬は6 月下旬から 8 月下旬とされています。紅ずいきは大阪の夏の伝統野菜なのですが、呼び名がちがうだけで奈良や三重、新潟や石川、千葉などでも古くから作られているそうです。アクが強く生食はできず下処理は必要ですが、あっさりとした味わいでシャキッととした食感が夏バテで食欲低下している時にも食べやすいです。

紅ずいきの栄養素について

アントシアニン

紅ずいきの赤色は強い抗酸化作用のあるアントシアニンの色です。活性酸素を抑える働きから動脈硬化や血栓を防ぐ他、がんなど生活習慣病の予防効果も認められていますし、視神経に働きかける為、眼精疲労や視力向上にも効果的と言われています。美容面ではシミやシワの予防、くすみを取り除くことにも活躍してくれます。

マンガン

不足すると疲れやすくなったり、めまいがおこりやすくなったり、骨がもろくなったりするマンガン。紅ずいきは他の野菜類と比較してもトップクラスの含有量です。三大栄養素の代謝を促す酵素の構成成分で、正常な代謝をサポートします。神経の伝達コントロールにも関わる栄養でもあり神経機能を正常化する効果もあります。また骨の再石灰化に必要なミネラルでもあり、血液の生成にも使われます。

ビタミンK

出血時の血液凝固作用と骨形成に役立ちます。妊娠後期の女性は積極的に摂取がすすめられる栄養の一つでもあり、骨粗鬆症の治療にも効果が認められています。

他にもむくみを取り除く効果や高血圧の改善、筋肉や心臓機能の調節をし細胞内液の浸透圧を維持する働きや細胞の情報伝達を助ける作用、神経伝達物質を作り精神安定や脳機能を高めるといったことに役立つ カリウムや亜鉛、カルシウムも多く含まれています。

紅ずいきの下ごしらえ

先ほども少しふれたように、ずいきはアクが強いため、下ごしらえが必要です。そこで、レシピのご紹介をする前に、下ごしらえの方法をお伝えします。
【材料】

紅ずいき 1パック
適量
水2Lに対して大3程度

【下ごしらえの手順】
1.洗って皮を剥く。端に包丁を引っ掛けてスーッと引っ張っると簡単に剥けます


2.鍋に入る大きさに切り酢水(分量外)に入れる


3.鍋に水を沸かし酢を加えたらずいきを入れて、浮いてくるのを優しく押さえながら 3 分くらい茹でてザルにあげる
(持ち上げてフニャッとなっていればOK)


※すぐ使う場合や1~2日程度で使い切る場合は冷水にとり軽く水気を絞って冷やす
※もう少し長期保存する場合は酢水につけておいた方がよいです

今月のレシピ➀「紅ずいきのスパイス甘酢漬け」

【材料】

下茹でした紅ずいき 適量
1cup
1cup
素焚糖(きび砂糖など) 大5
岩塩 小2
ローリエ 2枚
コリアンダーシード 小1/4くらい
フェンネルシード 小1/4くらい

甘酢漬けの素は日持ちするので余った分は冷蔵保存して他の野菜に使ってください
【作り方】
1.ずいき以外の材料を鍋に入れ砂糖を煮溶かす。沸騰させないよう弱火にします


2.ずいきを 5cm 程度の食べやすい大きさに切り清潔な容器に詰めます


3.2 に粗熱を取った1を注ぎ一晩冷蔵庫で寝かせて完成

今月のレシピ➁「紅ずいきの煮浸し」

【材料】

下茹でした紅ずいき 適量
A水 100cc
A切り干し大根 1つまみ
A出汁昆布 4cm程度
Bみりん 大1
B醤油 小1/2くらい
B岩塩 ふたつまみ

〈作り方〉
1.ずいきを5cm程度の食べやすい大きさに切ります
2. 鍋にAの材料を入れ30分程放置したあと、Bを加え一煮立ちしたら➀を加えを11分程度弱火で煮ます
3.煮汁につけたまま冷まします
※冷え性でお悩みの人や消化力が落ちている人は盛り付ける際、千切りまたは擦りおろした新生姜を加えるのもおすすめです。

その他紅ずいきの使い方

油揚げと一緒に炊いたり、細く切ってにんじんなどと一緒に炒めたり、ごま油と塩胡椒などで和えてナムルにしたり、お味噌汁に入れたり 味には癖がないので下茹でさえしてしまったら意外と使いやすいですよ。

さいごに

先月も少し触れましたが、栄養素や身体のメカニズムを知ることはアーユルヴェーダを深く理解することにも役に立ちます。けれども、あれこれ小難しいことを知ろうとしなくても旬の食材にはその時必要なものが詰まっているので、是非シンプルに今まで手にしたことがないお野菜も面白がって味わってみてください。私は知りたがりなのでいちいち勉強してしまいますが、その度に旬ってすごいなやっぱりそうだったかと納得させられている気がします。皆様どうぞお住まいの地域で古くから栽培されてきた伝統野菜を手に取ってみてください。きっとそれには今のあなたに必要な何かが詰まっています。

総合プロコースの詳細はこちらからどうぞ
>>総合プロコース

個別無料説明会の詳細はこちらからどうぞ
>>山田泉の個別無料説明会

ライター&編集担当

アーユルヴェーダセラピスト尾下弥々
尾下 弥々
愛媛出身、大阪在住。ハマったらとことん!美味しいものと楽しいこと美しいものが好き、極力体力消耗したくないヴァータ強めのインドア派。
尾下弥々 記事一覧へ意外と地道にこつこつタイプです。元々自炊は苦手。
アーユルヴェーダと栄養学を学んでから、体質や体調、季節にあったものを選ぶだけで勝手に栄養バランスも取れることに気付き、すごくシンプルな食生活となり、おうちごはんも楽しめるようになりました。歳を重ねるごとにより快適により楽により良く美しくなる、そんな穏やかで豊かな人生を送る「智慧」を独り占めせず、ひとりでも多くの人に届けられる人で在りたいです。英国アーユルヴェーダカレッジ認定 アーユルヴェーダビューティーセラピスト/ライフカウンセラー

日々の食事等はInstagramに載せてます

  • ★当スクール校長 山田泉著★

    自分力を上げる!アーユルヴェーダセラピスト必読の一冊
  • アーユルヴェーダ・プロフェッショナル・スクール
  • アーユルヴェーダ入門セミナー
  • アーユルヴェーダ体質診断テスト
  • アーユルヴェーダサロンナビ
  • 「山田泉」BLOG
  • 「スタッフ」BLOG
  • オイルトリートメントを受けたい方はこちら
  • メルマガ「脳暦だより」登録
  • 【英国アーユルヴェーダカレッジ】事務局・アクセス
  • 作者「石井泉」アーユルヴェーダ入門書
  • アーユルヴェーダSHOP
  • 【通信講座】アーユルヴェーダセミナー
  • AYURCARE.JP(アーユルヴェーダ総合サイト)