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旬の食材でドーシャの乱れをトトノエル~残暑編~

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立秋を過ぎ厳しかった暑さも和らいでと言いたいところですが、暑さが長引いていますね。
台風がUターンしたり、地球のヴァータも乱れ気味のようですが皆様今年の夏はいかがお過ごしでしたか?
とにかく暑さが苦手な私はというと、実は久しぶりにあまり食べられない夏を過ごしました。
そんな時に助けられたのが甘味と水分たっぷりのスイカやメロンといった果実的野菜や、桃やマンゴー、ドラゴンフルーツ、バナナなどの果物です。
今月はアーユルヴェーダ的なフルーツの摂り方と、この時期全ての人におすすめできる身体の中に籠った余分な熱を下げて巡りを良くするスイカのガスパチョ風の作り方をご紹介させていただきます。

フルーツを食べる時に注意すること

アーユルヴェーダでは、フルーツを食べる際に注意すべきことがあります。それは「酸味のフルーツと乳製品を一緒に食べないこと」。日本だとフルーツヨーグルトに柑橘のフルーツが入っていることも普通にありますが、アーユルヴェーダでは禁忌とされています。ヨーグルトと柑橘のフルーツ、それぞれ単体で摂る分には健康に良いものと言えるのですが、一緒に摂る事によって、アーマと呼ばれる未消化物となりやすく、栄養どころか、毒となってしまうと古典において説明されています。
カッテージチーズを自宅で作ったことがある人はイメージしやすいかと思うのですが、牛乳にレモンや酢を入れて加熱すると水分と固形物に分離しますよね。柑橘類と乳製品を一緒に摂ると、体内でも同じ現象が起こり、タンパク質と脂質が変質し消化しにくくなってしまうのです。アイスクリームにトッピングしたり、フルーツサンドなどをたまに食べることを目の敵にする必要はないかと思いますが、朝ご飯でフルーツ+シリアル+ヨーグルトといった一見ヘルシーそうに感じさせる組み合わせは要注意です。もしフルーツヨーグルトを常食するようになって、異常に便通が良くなったと感じている方がいれば、それは食べ合わせが悪くお腹がくだっている(緩くなっている)状態を疑った方が長い目で見ると健康に役立つでしょう。

体質(体調)にあったフルーツの選び方と摂り方

VATA体質

疲れやすく食欲にムラがある、寒暖差に弱いまたは寒暖差を感じやすいVATA体質の方は以下のようなことを意識してフルーツを選ぶとよいでしょう。
・甘く、水分の多いフルーツを選ぶようにしましょう。
・VATAのアンバランスを感じる時は、ドライフルーツを避けるようにしましょう。
・カルダモンなど良い香りのスパイスをフルーツに合わせるのもおすすめです。

PITTA体質

灼熱感を感じたりイライラしやすい、食欲はあるが、食後胸やけを感じたり、お腹を下しやすいPITTA体質の方は以下のようなことを意識してフルーツを選ぶとよいでしょう。
・完熟した甘いフルーツを摂るようにしましょう。今の季節だとぶどうがおすすめです。
・PITTAのアンバランスを感じる時は、酸味の強いフルーツや熟してないフルーツは避けるようにしましょう。
・ミントやコリアンダーなど、体の熱をとってくれるハーブと合わせるのもおすすめです。

KAPHA体質

体の浮腫みを感じたり、体や心が重くなりやすい、消化不良や食欲不振を感じやすいKAPHA体質の方は以下のようなことを意識してフルーツを選ぶとよいでしょう。
・桃、ザクロ、梨など渋味があるフルーツを選ぶようにしましょう。
・KAPHAのアンバランスを感じる時は、甘酸っぱい果物や、バナナやアボカドなど重たい質を持つものは控えましょう。
・ブラックペッパーなど強い熱性のスパイスを合わせたり、加熱して食べるのもいいでしょう。

体質に合わせたフルーツの選び方をご紹介しましたが、私はヴァータだから!などと決めつけるのではなく、是非その時々の身体と心の調子を感じながら楽しんで選んでみてくださいね。

そして、もし今、何を選んだら良いかわからないと悩んだ時は「旬」を意識すれば大丈夫です!
今月は全ての人にこの時期おすすめ、かつ入手しやすい日本の夏の風物詩スイカを掘り下げます。

スイカの栄養素

先月紹介したきゅうり同様90%以上は水分です。そして、約9.5%が糖類。残り約0.5%にカリウムなどのミネラル類やシトルリン、アルギニンなどのアミノ酸、赤い色素の素であるリコピンやβカロテンなどのカロテノイドが含まれています。

カリウム

むくみの解消や高血圧予防に役立ちます。

βカロテン

人参やカボチャなどにも多く含まれているβカロテンですが、スイカの赤色にも同じカロテノイドが含まれています。強い抗酸化作用がある為、肌でいうとシミやシワの予防といったアンチエイジングに役立ちます。体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、目を乾燥から守ったり、免疫機能の改善にも役立ちます。

リコピン

リコピンといえばトマトでしょ!と思った方も多いと思いますが、じつはスイカに含まれるリコピンの量はトマトの1.5 倍です。βカロテンと同じく強い抗酸化作用があることに加え、活性酸素を除去する力が強くある事により、紫外線による肌の赤みや色素沈着などのダメージを減らすことができるほか、血流改善させり、紫外線による肌の赤みや色素沈着などのダメージを減らすことができるほか、血流改善させる効果、臓器や細胞の働きを活発にし代謝を上げる働きなどもあります。る効果、臓器や細胞の働きを活発にし代謝を上げる働きなどもあります。

シトルリン

スイカの学名「Citrullus 」から名付けられたシトルリンは、その名の通りスイカに多く含まれています。血流を改善し、強くしなやかな血管 を作り出す働きもある為動脈硬化の予防にも役立ちます。利尿作用によって高血圧予防やむくみ解消にも効果的。このシトルリンは、赤い実の部分よりも皮の白い部分に多く含まれているのも特徴です。

今月のレシピ➀「スイカのガスパチョ風」

【材料】

☆スイカ 1/8カットの半分
☆トマト ミディアムサイズ1個
☆カラーピーマンORパプリカ トマトと同量
☆玉ねぎ 少々
小1/6~1/8くらい
オリーブオイル 小1程度
コリアンダーパウダー 適量
クミンパウダー 適量
カルダモンパウダー 適量
白胡椒(なければ黒胡椒) 適量
ライム果汁(なければレモンやシークワーサーなど) 大1強
ミント 好きなだけ

【作り方】
1.☆ をミキサーに入れやすい大きさに切る(スイカとピーマンの種は取り除いておく)


2.1をミキサーまたはブレンダーにかける


3.ライムとミント以外の材料を加え更に混ぜる


4.味をみて塩加減がちょうど良ければライムを絞り入れ冷蔵庫で小一時間冷やす。
5.盛り付けたらミントをトッピングして完成!!

※ピッタのアンバランスを感じている時には、体の熱をとってくれるミントを多めにするのがおすすめです。
※一般的に、柑橘類は温性なので、ピッタの方には向かないフルーツなのですが、ライムは例外的にピッタのアンバランスを起こさないのでベストですが、ない場合は、レモンやシークワーサーなどの柑橘を量を調整しながら使用してください。

今月のレシピ➁「すいかの皮のスパイス浅漬け」

【材料】

スイカの皮 レシピ➀で使用したスイカ分
小1/4くらい
オリーブオイル 小1くらい
クミンシード 2つまみくらい
ターメリック 少々
コリアンダーパウダー 小1/8程度
フェヌグリークパウダー コリアンダーパウダーの半量
ライム果汁 1/3個分

【作り方】
1.スイカの皮の緑の部分を削ぎ、白い部分を食べやすい大きさに切る。


2.1に塩を揉みしばらく置いて水分を軽く絞る


3.フライパンにオリーブオイルとクミンシードを入れ弱火にかける


4.ふつふつと気泡が出てきた状態+ 10 秒ほどしたら火を止めパウダースパイスを加え混ぜ合わせる


5.2に4をかけ混ぜ合わせる

6.粗熱が取れたらライム果汁を絞り、よく混ぜ冷蔵庫で一晩寝かせる。

噂のシトルリンを摂れるだけでなく食欲・消化力増進作用も期待でき、カレーなどのスパイス料理にはもちろん、変わり種の箸休めとしてやサラダのトッピングなどにもぴったりです。

最後に

スイカに塩をかけるのにも違和感があるのに、果物にスパイス!?と思われる方も多いかと思いますが、実はすごく理にかなっています。スイカに塩をかけるのは対比効果で甘味を引き出しやすくするだけでなく、熱中症予防に必要な水分と塩分を同時に摂れる日本でも昔ながらの知恵袋。スパイスも香りなどの作用で味覚や食欲を刺激したりするだけでなく、冷え過ぎや消化不良を防ぐ目的、消化力を増進したりすることに役立ちます。スイカや桃にカルダモンパウダーをただかけるだけでも美味しくスパイスの恩恵も得られますよ。
私ごとではありますが、こんなにも食欲不振だったにも関わらず、毎年のように夏場悩まされていためまいと貧血が今年は一度もなかったことはアーユルヴェーダの教えを「今無 理なくできる範囲でコツコツ取り入れる」ことを諦めなかったからだと感じています。
夏の疲れがたまっているヴァータピッタ強めな人に、改めて伝えたいことは一つ。
「今そんなに頑張らなくて良い時です、大丈夫だからまずはよく寝てください」

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ライター&編集担当

アーユルヴェーダセラピスト尾下弥々
尾下 弥々
愛媛出身、大阪在住。ハマったらとことん!美味しいものと楽しいこと美しいものが好き、極力体力消耗したくないヴァータ強めのインドア派。
尾下弥々 記事一覧へ
意外と地道にこつこつタイプです。元々自炊は苦手。
アーユルヴェーダと栄養学を学んでから、体質や体調、季節にあったものを選ぶだけで勝手に栄養バランスも取れることに気付き、すごくシンプルな食生活となり、おうちごはんも楽しめるようになりました。歳を重ねるごとにより快適により楽により良く美しくなる、そんな穏やかで豊かな人生を送る「智慧」を独り占めせず、ひとりでも多くの人に届けられる人で在りたいです。
英国アーユルヴェーダカレッジ認定 アーユルヴェーダビューティーセラピスト/ライフカウンセラー
日々の食事等はInstagramに載せてます
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