アーユルヴェーダ理論を学ぶ【体の組織要素について】

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健康的で肌つやが良く、行動力があり、いつでも笑顔、その人がいると場が明るくなる、魅力的な方が皆さんのまわりにもいらっしゃるのではないでしょうか。そして、「素敵!自分もそうなりたい!でもどうすればそうなれるのかわからない・・」など思ったことが一度はあるかもしれません。

今回は心身共に健康な体はどうやって作られるのか、内側から輝く秘密について、アーユルヴェーダの知恵をご紹介していきます。最後まで是非お付き合いください。

体の組織要素「ダートゥ」

ダートゥとは?

体の組織要素をサンスクリット語で、ダートゥ(Dhatu)と呼びます。

ダートゥは「支える」「維持する」などの意味があり、骨や筋肉、脂肪など人体を構成する各要素を表します。私たちの体は、食べた物を消化し、栄養に変換し、吸収することでダートゥは作られ、不要なものは老廃物(マラ)として尿や便や汗として排泄されます。このように食べたものが私たちの体を作ってくれていますが、質のよいダートゥを作るには消化力、食材の選び方、食べ方などが重要となっていきます。そして、体はたくさんのダートゥをバランス良く組み合わせて作られていますが、アーユルヴェーダでダートゥは7つに分類されています。

  1. ラサ(rasa)血漿組織要素
  2. ラクタ(rakta)血液組織要素
  3. マーンサ(mamsa)筋肉組織要素
  4. メーダス(medas)脂肪組織要素
  5. アスティ(asthi)骨組織要素
  6. マッジャー(majja)骨髄・神経組織要素
  7. シュクラ(sukra)生殖器組織要素

ダートゥはどのようにして作られる?

次に、7つのダートゥが作られる過程ついてご紹介していきます。
アーユルヴェーダでは、ダートゥは、3通りの代謝方法によって、作られると考えられています。そのうち1つ「棚田に水が満たされていくような作られ方」についてご紹介します。これは山の上から下まで、棚田を水が順番に流れているという例えとして説明されています。

この作られ方では、体の中にある栄養素を使って、まずはラサ(血漿組織要素)が作られます。ラサが十分に作られると、次にラクタが作られます。このようにして、ラサ→ラクタ→マーンサ→メーダス→アスティ→マッジャー→シュクラの順で作られていきます。そして、すべてのダートゥが十分に作られることで、健康を保つことができます。

しかし、途中のダートゥが栄養不足になると、流れが滞り次へ栄養が行き届かず心身の不調や病気に繋がります。「でも、7つのダートゥ全てが作られているのかどうやってわかるの?」ですよね。
それが、肌つやが良く、笑顔で前向きな言葉、健康的で輝いている魅力的な人!
そのような状態が7つのダートゥが正常に作られて心身共に健康な状態と言えます。

もし「最近なんとなく体調がすぐれない・・元気やる気が出ず憂鬱・・」などの状態でしたら、きちんとダートゥが作られていないかもしれません。これから、7種類の各ダートゥの役割、ダートゥが正常に作られている時と、作られていない時に心身に及ぼす影響を紹介しますので、今の自分に当てはまる所がないかチェックしてみてくださいね。

各ダートゥの役割と心身に及ぼす影響・改善策

rasa(ラサ)

ラサは「血漿組織要素」のことです。ラサには「喜ばせる」「滋養・栄養」といった役割があるため、ラサが正常に作られていると、喜びや満足感があり、人生を楽しむことができます。

しかし、栄養が不足しラサが作られず減少すると、疲れ易い、乾燥や頭痛、生理痛やPMSなどの症状が体へ現れ、精神面では、疑り深い、自信がなくなる、欲求不満などの影響が現れます。

アーユルヴェーダの改善策として、栄養豊富で消化の良い、温野菜やショウガやスパイス入り野菜スープや味噌汁、季節の果物、牛乳、はちみつなどを摂取すると良いでしょう。何より大切なことは、よく笑うことです!気の合う友人と会ってお話したり、お笑い番組を見て笑ったり、気になっていたお店に行き食事を楽しむのもいいですね。自分の心が満たされることをしましょう。

rakta(ラクタ)

ラクタは「血液組織要素」です。「生命を支える」「巡る」という役割を持つラクタがきちんと作られていると、体中に酸素が運ばれるため、やる気や活力が出ます。しかし、栄養が不足しラクタが作られず減少すると、乾燥、にきびや赤い吹き出物などの症状が体へ現れ、精神面ではイライラし怒りっぽくなります。

アーユルヴェーダの改善策として、血液を作る鉄分、葉酸、タンパク質の多い食材を摂取しましょう。赤身肉、カツオやマグロ、小松菜、ビーツ、ひじき、ほうれん草、おやつにプルーン、デーツなどを意識して取り入れ、さらにビタミンCを一緒に摂取すると鉄の吸収率がアップするので、料理や飲み物にレモン汁を少し入れるのもいいですね。

mamsa(マーンサ)

マーンサは「筋肉組織要素」を意味します。マーンサには「体を覆う、包む」という役割があるので、マーンサが十分に作られていると、努力や頑張ることができ、安心感があります。

しかし、栄養が不足しマーンサが作られず減少すると、体力低下や筋肉減少、湿疹などの症状が体へ現れ、精神面では許せなかったり、論理的思考の低下や起きるのが辛い、などの影響が現れます。

アーユルヴェーダの改善策として、筋肉を作る必須アミノ酸がバランス良く含まれる良質なたんぱく質を取り入れましょう。鶏むね肉や卵、赤身肉、納豆、さばなどの青魚、乳製品を取り入れ、筋肉を増やすためにもいつもより少し筋肉に付加をかけることを意識し行動しましょう。エスカレーターでなく階段を使ったり、電車で丹田を意識して立つ、ウォーキングなど軽い運動をしましょう。毎日に小さな「出来た!」をプラスするだけで気持ちも前向きになれますよ。

medas(メーダス)

メーダスは「脂肪組織要素」を意味します。メーダスには「愛」「滑らせる」という役割があり、メーダスが正常に作られていると、愛情があり、他社とのコミュニケーションが上手くいきます。
しかし栄養が不足しメーダスが作られず減少すると、乾燥肌または脂性肌、太るか痩せる、体臭が強くなるなど体へ影響し、精神面では体力や愛情がなくなります。

アーユルヴェーダの改善策として、痩せすぎた場合は、良質な脂質をつくる必須脂肪酸を含む食材を取り入れましょう。青魚、ナッツ、チーズや牛乳などの乳製品など。逆に太りすぎた場合は、カパが増えすぎバランスが乱れているので、うっすら汗をかく程度の運動をし、乳製品など脂肪分の多い食材は控えるなど注意しましょう。オイルを使用せず絹の手袋でセルフマッサージを行ったり、正しいやり方で断食をするとカパを減らし心身共にすっきりします。

asthi(アスティ)

アスティは「骨組織要素」を意味します。アスティには「支える」「形を保つ」という役割があるため、正常に作られていると、精神的な強さや安定さを感じます。しかし、栄養が不足しアスティが作られず減少すると、姿勢が悪くなったり、関節の変形や脱毛、骨粗しょう症や歯や爪が弱くなり、疲れやすくなったりし、精神面では不安感や不安定さを感じます。

アーユルヴェーダの改善策として、骨や歯などをつくるミネラル、カルシウムを多く摂取しましょう。豆もやし、小松菜、小魚、牛乳、ごま、海藻類などを取り入れるといいでしょう。また、ヴァータが増えすぎバランスが乱れているので、オイルマッサージもおすすめです。セサミオイルは抗酸化作用があり体内の活性酸素を減らし約5分で骨まで浸透し骨を強くし、体に栄養を与えたり乾燥を防いでくれます。

majja(マッジャー)

マッジャーは「骨髄・神経組織要素」を意味します。マッジャーには「満たす」という役割があるため、マッジャーが必要な栄養で満たされ正常に作られていると、精神的に守られていて落ち着いています。

しかし、栄養が不足しマッジャーが作られず減少すると、手足のしびれや、目のくぼみ、関節痛や脱毛白髪などの影響があります。精神面では頭が空っぽになったような、悲壮感を感じます。

アーユルヴェーダの改善策として、ビタミンB群を多く含む食材を摂取しましょう。レバー、豚肉、豆もやし、ほうれん草、ナッツやアボカド、ギーもいいでしょう。そしてストレスはマッジャーを減らす作用があるので、何より大切なことはストレスを溜めないことです。瞑想や読書、良い環境で落ち着いて食事をしたり、熱すぎない湯船にゆっくりつかり副交感神経を優位にして眠ることで睡眠の質を高めましょう。時にはデジタルや情報から一時離れ、自然の流れに身を任せて過ごしてくださいね。

sukura(シュクラ)

シュクラは「生殖器組織要素」を意味します。シュクラには「胎児をつくる」「育む」という役割があり、シュクラが必要な栄養で満たされ正常に作られていると、想像力や発想力、性欲があります。しかし、栄養が不足しシュクラが作られず減少すると、性欲減退や不妊、免疫力の低下、不眠症などの影響を及ぼし、精神面では想像力や発想力が低下します。

アーユルヴェーダの改善策として、ギーや牛乳、卵などを摂取することや、オイルマッサージではアシュワガンダオイルがストレス緩和、滋養や免疫力を高める効果がありおススメです。家族やパートナーなどが近くにいる方は、肩や手を軽くマッサージしてもらったり、背中をさすってもらうなど肌が触れ合うことで、幸せホルモンのオキシトシンが分泌され、ストレス緩和やリラックス効果などがあるため、眠る前などに行うと穏やかな気持ちになり睡眠の質向上に繋がります。

ダートゥを良くする方法

先ほど、各ダートゥが十分に作られるための改善策として、食事のとり方や日常の過ごし方をお伝えしましたが、もし体にアーマ(未消化物、毒)が溜まっている場合は、先に体内からアーマをデトックスすることが必要です。

体が重い、便秘気味、やる気がでない、頭がぼーっとする、いつも眠い・・などの場合は、「アーマ(未消化物)について」でアーマ度もチェックしてみてくださいね。
消化力が低下しアーマが溜まっている方は、まずは「アーマが溜まった時の対処法」を生活に取り入れデトックスをしてから、アーユルヴェーダの改善策を取り入れることをおすすめします。

輝く私になる秘密

最後に、記事の始めにお話しした、内側から輝く秘密についてご紹介をします。内側から輝く秘密、それは「オージャス」にあります。オージャスは「活力の素」といわれ、体に力や免疫力を与えてくれるものです。
オージャスには2種類あり、そのうちのひとつは、全てのダートゥの一番重要なエッセンスとされています。つまり、ダートゥが正常に作られている=オージャスも増えるということになります。そしてオージャスが増えると肌つやが良く、笑顔で前向きな言葉、行動力があり、健康的で輝きが増します。
活力の素であるオージャスは増やすことができて、内側からの輝きが増す!と聞くと、もっと知りたくなりませんか?オージャスのこと、オージャスを増やす方法は別の記事でお伝えしますね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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ライター&編集担当

アーユルヴェーダセラピスト春田早希子

春田早希子
三重県出身。カパ体質のゆっくりマイぺースだが、こだわりは強め。
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大学卒業後、地球一周船旅に乗船、現在のパートナーと出会うきっかけに。様々な国を訪れ自分がいかに恵まれた国、環境に生まれ育ったかを痛感。帰国後はフェアトレード専門店に7年勤務し結婚を機に退職。新婚旅行で東南アジアあたりを約4ヵ月かけて巡るバックパッカーの旅へ。旅で立ち寄ったインドやスリランカでアーユルヴェーダに興味が湧く。帰国後は東京に移住。中小企業3年勤務後退職し、英国アーユルヴェーダカレッジ49期入学。2022年5月卒業。さらに知識を深め、自分に出来る方法で誰かの笑顔のためになりたいと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

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