TOP > スタッフブログ > 今年の冬は風邪をひかない!アーユルヴェーダで学ぶ冬の健康法【風邪の予防編】

目次

アーユルヴェーダで冬を健康に過ごす方法とは?

冬の寒さと乾燥は、体調を崩しやすい環境を作ります。インド・スリランカ発祥の伝統医学であるアーユルヴェーダでは、季節に応じた生活法で体調を整えることが大切とされています。本記事では、アーユルヴェーダの知恵を取り入れ、風邪を予防して、今年の冬を健康に乗り越えるための具体的な方法をご紹介します。

アーユルヴェーダの基本理念:自然と調和するライフスタイル

アーユルヴェーダは「生命の科学」として、自然との調和を基本理念としています。この医学では、人間は「小宇宙」として自然の一部と考えられ、季節や環境の変化が体調に大きく影響するとされています。特に冬は「ヴァータ」と呼ばれる風のエネルギーが増加する季節とされています。その影響を抑えるために、温かく、潤いを与える食事や生活習慣が推奨されます。

冬に注目したい「ヴァータ」のバランスと免疫力の関係

ヴァータが増加すると、乾燥や冷えが進行し、免疫力の低下を引き起こします。この不調を防ぐためには、ヴァータの性質(冷性・乾燥性)とは逆の性質をもつ温かいスープやスパイス、適度な運動を取り入れることが有効です。

また、ヴァータの増加は粘膜を弱体化させ、風邪をひきやすくするため、バランスを整えることが風邪予防に直結します。

冬に風邪をひきやすい原因を知ろう

冬に風邪をひきやすい原因を理解することで、適切に予防をすることができます。以下に、代表的な原因とその対策を解説します。

気温の低下と体内エネルギーの停滞

寒さが増すと体温が低下し、血液循環が滞りがちになります。これにより免疫機能が低下し、風邪ウイルスに感染しやすくなります。アーユルヴェーダでは、温かい食事やスパイスティーを取り入れることで体を内側から温めることを推奨しています。

乾燥による粘膜の弱体化と免疫低下

冬は空気が乾燥し、喉や鼻の粘膜が弱くなりがちです。この状態では、病原菌やウイルスが体内に侵入しやすくなります。リコリス(甘草)ティーや白湯を飲む習慣を取り入れることで、粘膜を潤し、保護することができます。

ライフスタイルの変化:室内活動と運動不足

寒さからくる運動不足や閉じた環境での生活は、エネルギーの停滞を引き起こし、体調不良を招く要因となります。適度な運動を取り入れることで血行を促進し、代謝を高めることが重要です。

アーユルヴェーダにおける風邪予防の基本概念

アーユルヴェーダの知恵を日常に取り入れることで、風邪を予防しやすくなります。3つの観点で風邪を予防していきます。

冬に最適な日々のルーティン:ディナチャリヤ

ディナチャリヤとは、1日の生活習慣を整えるアーユルヴェーダの生活法です。特に、冬には朝の白湯の摂取、温かいスープの朝食、就寝前のリラックスティーが効果的です。また、オイルを用いたセルフマッサージ(アビヤンガ)で体を温め、血流を促進します。

アーユルヴェーダハーブ:トゥルシーやジンジャーを活用する

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トゥルシー(ホーリーバジル)は、抗炎症作用と免疫力向上効果が期待されるハーブで、ジンジャーは体を温め、消化を助ける特性があります。これらを使ったハーブティーを毎日の生活に取り入れることで、風邪予防が可能です。

「アーマ(未消化物)」を減らすための食事選び

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未消化物が体内に蓄積すると、免疫力が低下します。アーユルヴェーダでは、消化力を高めるために、スープや煮物など消化に優しい温かい食事を推奨しています。スパイスとしては、ターメリックやフェンネルを取り入れることで消化を促進できます。

冬におすすめのアーユルヴェーダ対策の実践例

朝の白湯習慣で内臓を温める

朝に白湯を飲む習慣は、内臓を温め、消化力を高める基本的なケア方法です。沸騰させたお湯を冷まし、温かい状態でゆっくり飲みます。これにより「アグニ」と呼ばれる消化の火が活性化し、代謝が促進されます。また、体内の毒素を排出するデトックス効果も期待できます。

温める力を持つ食材:ゴールデンミルク(ターメリック入りホットミルク)のレシピ

冬の冷えを和らげる代表的なアーユルヴェーダ飲料がゴールデンミルクです。最近ではカフェのメニューで提供されているのも見かけますが、強力な抗炎症作用があるターメリックは、風邪の初期症状や喉の違和感にも効果的です。

作り方はシンプル。温めた牛乳1カップに小さじ1/2のターメリックパウダーを混ぜ、必要に応じて黒胡椒を少々加えます。甘みが欲しい場合は蜂蜜を加えると良いでしょう。夜寝る前に飲むことで、体を内側から温め、質の良い睡眠を促します。

セルフケア:アビヤンガ(オイルマッサージ)の効果と手順

アビヤンガとは、体全体に温かいオイルを塗布するセルフマッサージのことです。寒さと乾燥の高まる冬に特におすすめのケア方法です。特にセサミオイルが推奨されています。

オイルを人肌に温め、頭頂からつま先まで塗り広げます。関節は円を描くようにマッサージしていきます。血行促進や肌の保湿効果があり、冷え性改善や心身のリラックスにも役立ちます。シャワーで軽く洗い流し、湯舟で温まることで、心地よい温もりを一日中感じられるでしょう。また、毎日継続して行うことで、身体に強さを与えます。冬場の寒さの中でも疲れ知らずで過ごすことができます。

ナスヤ(鼻オイルケア)で乾燥対策

ナスヤは、鼻腔にオイルを塗布するケア方法で、冬の乾燥による鼻や喉のトラブルを和らげます。ゴマ油や専用のアーユルヴェーダオイルを数滴鼻に垂らし、頭を少し後ろに傾けて軽く吸い込みます。これにより、鼻粘膜が保護され、呼吸が楽になります。特に暖房が効いた乾燥した室内での生活に役立つケアです。また、アーユルヴェーダでは鼻は脳の入り口だと考えられているため、通りをよくすることで頭もすっきりと冴えるでしょう。

ギーを使ったスキンケアで肌と体を保湿

ghee
アーユルヴェーダで「黄金のオイル」とも呼ばれるギー(精製バター)は、肌の保湿に優れています。適量を手に取り、顔や体に塗布することで、乾燥肌を改善し、皮膚を柔らかく保つ効果があります。また、パソコンやスマホなどを見続けて疲れた目には、ギーのコットンパックを一緒にするのも良いでしょう。ギーには抗酸化作用があり、皮膚の健康を内外からサポートします。

呼吸法とヨガ:免疫力アップに役立つプラーナーヤーマ

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呼吸法「プラーナーヤーマ」は、免疫力向上に効果的です。特に「ナーディショーダナ」と呼ばれる片鼻呼吸法は、体内のエネルギーを整え、ストレスを軽減します。座り心地の良い場所で片方の鼻を押さえながら、ゆっくり吸い込み、反対側から吐き出します。この動作を数分間繰り返すことで、気分が落ち着き、冬に乱れやすい「ヴァータ」のエネルギーも調整できます。

風邪の初期症状への対処法

甘草茶(リコリスティー)の効果と飲み方

甘草茶は、喉の痛みや炎症に効果的なハーブティーです。甘草には抗炎症作用や去痰効果があり、喉の違和感を和らげます。市販のリコリスティーを1杯飲む際に、ジンジャーパウダーを少し加えると体をさらに温めることができます。一日2~3杯を目安に摂取することで、風邪の初期症状を効果的に抑えることが可能です。

ショウガ湿布の作り方と使用方法

ショウガ湿布は、体を温め、血行を促進する即効性のある方法です。すりおろしたショウガを布袋に入れ、温かいお湯に浸して軽く絞ります。それを肩や腰、胸元など冷えが気になる部位に当てます。10分程度じっくり温めることで、筋肉がほぐれ、体全体が温まります。

ターメリック足浴で身体を温める方法

ターメリック足浴は、体を芯から温めるのに効果的です。洗面器に熱めのお湯を入れ、小さじ1のターメリックパウダーを溶かします。足を10~15分ほど浸け、終わった後はしっかり拭き取ります。これにより足元から全身の血行が良くなり、冷えが改善します。夜寝る前に行うと、安眠効果も期待できます。

ドーシャ別の風邪の特徴と対策

ヴァータタイプの風邪:症状と対処法

ヴァータタイプの風邪は、乾燥や冷えを伴う症状が特徴です。喉がカサカサして痛みを感じたり、空咳や頭痛、倦怠感が現れることがよくあります。このタイプは特に冬の乾燥した空気やストレスによって悪化しやすいです。

対策としては、体をしっかり温め、潤いを与えることがポイントです。温かい飲み物、特にリコリスティーやジンジャーティーがおすすめです。また、白湯やゴールデンミルクを飲むことで内側から冷えを和らげることができます。日常的にギーを摂取することも効果的です。さらに、アビヤンガ(オイルマッサージ)を取り入れると、血行が良くなり、リラックス効果も得られます。

ピッタタイプの風邪:症状と対処法

ピッタタイプの風邪は、発熱やのどの炎症、目の充血など、熱がこもる症状が特徴です。このタイプでは、喉や体が熱を持ち、汗をかきやすくなることがあります。

対策には、体を適度に熱をとりながらも、消化力を保つことが重要です。コリアンダーティーやフェンネルティーなど、体を落ち着かせる効果のあるハーブティーが有効です。また、熱を鎮静させるために、軽い呼吸法でリラックスすることが勧められます。食事は油っぽいものや辛いものを避け、消化しやすい温かいスープを摂りましょう。

カパタイプの風邪:症状と対処法

カパタイプの風邪は、鼻づまりや痰を伴う咳が特徴です。体が重く、だるさを感じることが多く、寒い日が続くと悪化する傾向にあります。このタイプは免疫力が低下しやすく、感染症にかかりやすいこともあります。

対策として、体を温めるとともに、余分な湿気を取り除くことがポイントです。ショウガ湿布で体を温めるほか、スパイスを加えた温かいスープで体内の循環を促します。また、ターメリック足浴を取り入れることで、冷えを改善し、免疫力を高める効果が期待できます。軽い運動やヨガも体の活性化に役立ちます。

風邪を防ぎながら冬を楽しむアーユルヴェーダライフ

小さな習慣が大きな変化を生む理由

アーユルヴェーダでは、日々の小さな習慣が健康に大きな影響を与えるとされています。例えば、毎朝の白湯や夜のゴールデンミルクといった簡単なルーティンを続けるだけでも、免疫力が高まり、風邪を防ぐ力が備わります。また、オイルマッサージや鼻オイルケアといったセルフケアを取り入れることで、体のバランスが整い、心身ともに健康を維持できます。毎日ケアをしていくことで、身体の小さな変化にも気づくことができるようになっていきます。そしてその変化に対策がとれるようになり、さらに健康へ繋がるという好循環を生むのです。

自然とともに生きる冬の生活を実践しよう

冬は自然界のリズムに従い、体を温め、心を穏やかにする生活を心がけることが大切です。アーユルヴェーダの知恵を取り入れることで、冬の寒さや乾燥によるストレスを軽減し、自然と調和した心地よい毎日を送ることができます。自分に合ったドーシャのケアを実践しながら、季節を楽しむ習慣を身につけてみてください。こうした取り組みが、春を迎えたときの健康な体づくりに繋がります。

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ライター&編集担当

アーユルヴェーダセラピストmisaki
misaki (Instagram)
東京都出身。気になることはすぐ確かめたくなる好奇心旺盛のヴァータ体質。
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コロナ禍での体調管理をきっかけにアーユルヴェーダに出会う。自律神経の乱れやPMSなど、それまで悩んでいた不調にも対処できることがわかり、学びを深める。知識が増えるにつれ体調を崩すことが激減。身体が弱いと思っていたがセルフケア不足だったことに気づく。
現在は自分の体の変化を楽しみながらアーユルヴェーダを実践中。
おだやか、ていねい、マイペースな人生を送ることが目標。

英国アーユルヴェーダカレッジ56期卒業
アーユルヴェーダビューティーセラピスト/ライフカウンセラー

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