今日はアーユルヴェーダ理論の中で「プラーナ」について学びました。
あまり聴き慣れない言葉ですが、サスクリット語では、prana(プラーナ)とつづります。プラーナの考え方は奥が深くて1回で理解するのは難しそうですが、日本語で「気」の流れが良くなると言いますが、その「気」に少し近い概念になります。
今回はプラーナの意味を説明しながら、その流れを良くする方法をご紹介します。
プラーナとは
プラーナは生命エネルギーです。
ドーシャのヴァータは、運動機能と感覚機能を司る生命エネルギーですが、プラーナはヴァータのさらに微細なエネルギーです。呼吸や酸素、循環をつかさどり、あらゆるものの原動力となり、感覚器官を支配しています。
消化の火を点し、消化を活性化させるのも、精神、思考、感情の働きや、心臓の機能をコントロールするのもプラーナです。
プラーナは、3つのものから取り入れることができます。
取り入れ方 | |
気 | 宇宙からの気(エネルギー)が直接体に入ります。体に入った気は、パンチャコーシャの2層目プラーナマヤ・コーシャを流れます。 |
酸素 | 呼吸することで酸素を体に取り入れます。プラーナヤーマとは、呼吸法のことです。 |
食べ物 | 食事をすることで食べ物からの気が体に入ります。 |
プラーナの機能のひとつ、呼吸
アーユルヴェーダでは、プラーナを月と太陽、新月と満月、男性と女性で説明しています。
呼吸によって、冷たい空気を吸い、温かい空気を吐き出します。
冷たい空気は「月」、温かい空気は「太陽」と考え、冷たい空気「月」を吸い込んで、下腹部に入った時に、太陽と出会い、太陽エネルギーによって、温かい空気となり、外に吐き出されます。
月が下腹部で太陽と出会った時に、「新月」となり、空気が外に吐き出された瞬間に「満月」となると表現されているのも古典の面白いところです。
新月と満月を理解すると、生命の神秘を理解するヒントになるそうです。
太陽と月
人間の体は左右対称です。体の右側は左脳によって管理され、体の左側は右脳によって管理されています。これは、左右の大脳から来た指令が延髄の下部で交叉して、左大脳は右半身、右大脳は左半身の運動を支配しているからです。
アーユルヴェーダでは、
右側は、太陽で男性、左側は、月で女性と定義されています。
体の左側からのエネルギーが右脳へと行き、右脳の女性らしさと結びつくのが女性エネルギー。
逆に、右側からのエネルギーが左脳へと行き、左脳の男性らしさと結びつくのが男性エネルギー。
女性エネルギーの特徴は、直感、受容、同情、慈悲。
男性エネルギーの特徴は、意欲的、積極的、競争的。
エネルギー | 部位 | 特徴 |
女性エネルギー | 体の左側
脳の右側 |
直感、受容 同情、慈悲 |
男性エネルギー | 体の右側
脳の左側 |
意欲的、積極的 競争的 |
呼吸の話に戻りますが、
左の鼻孔から息を吸うと右脳を刺激し、直観力や思いやりが増します。月(女性)エネルギーが増えるからです。
右の鼻孔から空気を吸うと左脳を刺激し、より懐疑的、論理的になります。太陽(男性)エネルギーが増えるからです。
ナーディショーダナ(片鼻呼吸法)をするときに、こんなことに思いをはせてみると良いですね。
プラーナは、男性と女性、太陽と月の相反するエネルギーを繋ぎます。そのため、プラーナは男性らしさ、女性らしさの両方を合わせ待つと言うことを学びました。
感情の実感が感情の終わり
授業後にテキストを見返していると、とても素敵な言葉がありました。
「感情の実感が感情の終わりです。」
自分の中に見たくない気持ちはありませんか?不安や悲しみ、怒り、憎しみ、執着など。もしかしたら、見たくないあまりにそのような感情を持っていること自体を忘れていることもあるかもしれません。「臭いものには蓋をする」という言葉がありますが、感情については蓋をしてもなくなることはありません。むしろ悪化することが多いです。
感情は感じること、つまり実感することで、その感情は消化され、心の糧となり、次のステップへと進めます。感情を感じることを避けていると、心のアーマ(未消化物)として溜まっていきます。
アーマとして溜まってしまった感情を消化するには、どうしたらよいでしょうか?
プラーナは感情をコントロールしているため、プラーナの流れを良くすることが大切です。プラーナの流れを良くするには、判断や比較、どうにかしようとすることなく、ただ感情を観察することです。
こんなことをしてスッキリした経験はありませんか?
・瞑想
・ノートにひたすら気持ちを書き出す
・人に話を聞いてもらう(気持ちを言葉にする)
・悲しいときに悲しい映画を見て思い切り泣く
これらは善し悪しや優劣の判断なしに、感情を受け入れる行為です。これが、プラーナの通り道を浄化し開き、流れを良くする癒しの行為なのです。
プラーナについては、もっとたくさんのことを学びましたが、太陽と月、男性と女性で現されるのがとても神秘的で興味深く面白い授業でした。
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ライター&編集担当
ちさと
神奈川県出身。やりたいことが多すぎてついつい予定を詰め込みすぎてしまうヴァータ体質。
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貧血をきっかけに英国アーユルヴェーダカレッジに入学。3ヶ月実践コースと総合プロコースを受講していくなかで、それまで努力してもなかなか良くならなかった貧血がみるみる改善し、アーユルヴェーダの奥深さに魅了される。
クラシック音楽、お菓子作り、旅行が好き。