春は新しい始まりの季節。しかし、気温の変化や冬に溜まった老廃物の影響で、だるさや花粉症、むくみを感じることも多いですよね。
アーユルヴェーダでは、季節ごとに適したライフスタイルを取り入れる「リトゥチャリヤ(季節の養生法)」が推奨されています。春は体の巡りが滞りやすい時期。そこで、食事やデトックス法、ヨガや呼吸法を取り入れると、心も体も軽やかに過ごせます。
今回は春に実践したいアーユルヴェーダの具体的な生活習慣を詳しくご紹介していきます。自然のリズムに寄り添い、心地よい春を迎えるためのヒントを見ていきましょう。
目次
- 1 春とアーユルヴェーダの関係
- 2 春を快適に過ごすための生活習慣
- 3 春におすすめの食事と飲み物
- 4 春のデトックス&浄化法
- 5 まとめ:春を健やかに楽しむために
春とアーユルヴェーダの関係
アーユルヴェーダにおける「春」の意味
アーユルヴェーダは、古代インド・スリランカ発祥の伝統医学であり、私たちの身体や心が自然のリズムと深く関わっていると考えます。春は、冬の厳しい寒さから解放され、生命が芽吹き、活動的になる季節です。この季節は、体内のエネルギーバランスを整える重要な時期とされています。
アーユルヴェーダでは、すべての生き物や環境が「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(水)」という3つのドーシャ(生命エネルギー)によって成り立っていると考えます。春は特に「カパ(水)」のエネルギーが優位になりやすく、体内に蓄積されたものが溶け出していく時期とされます。これが、私たちの体調や感情にさまざまな影響を及ぼします。
また、春はデトックスに最適な季節でもあります。冬の間に蓄積された老廃物を排出し、新しい季節に向けて体を整えるために、食事や生活習慣を意識することが大切です。
春は「カパ」が増える季節
春になると気温が上昇し、冬の間に体内に蓄積された「カパ(水)」が溶け出しやすくなります。「カパ」は水と地のエネルギーを持ち、冷たく重く粘性がある性質を持っています。これは、自然界で見ても春になると雪が溶け、地面が湿り気を帯びる現象と同じです。
体内で「カパ」が増えると、以下のような症状が現れやすくなります。
- 体の重さを感じる(だるさや眠気が増す)
- 鼻や喉の不調(花粉症・鼻水・痰が絡みやすい)
- 消化が遅くなる(食欲不振・胃の不快感)
- むくみやすくなる(水分代謝が滞り、顔や足が腫れぼったく感じる)
特に、春は「花粉症」や「アレルギー症状」が悪化しやすい時期です。これは、暖かくなり体内のカパが溶け出し、消化力を低下させます。消化力が働かなくなることで免疫機能も低下していくため、鼻水や目のかゆみといった症状が出やすくなるのです。
このため、春の過ごし方としては、カパの増加を抑え、体内の「水の滞り」を軽減するような生活を意識することが大切です。具体的には、運動や食事、デトックス習慣を取り入れることで、カパのバランスを整えることができます。
春に起こりやすい不調
春は、心身のバランスが乱れやすい季節です。特にカパが増えすぎることで、以下のような不調が起こりやすくなります。
① 花粉症・アレルギー症状
春になると、スギやヒノキなどの花粉が飛散し、多くの人がアレルギー症状に悩まされます。アーユルヴェーダで花粉症は、体内の余分なカパが溶け出し、鼻づまりや副鼻腔炎、消化力の低下など粘液に関係するトラブルが引き起こされている状態と考えられています。
無理に症状を抑え込むのではなく、体内の老廃物をスムーズに排出することが大切です。具体的には、白湯を飲んだり、スパイスを活用したりして、消化力を高めると良いでしょう。
② 眠気・だるさ
春になると「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、眠気を感じることが多くなります。これは、カパの重い・鈍い性質の影響で体のエネルギーが停滞しやすくなるためです。特に、朝起きるのがつらく感じる人は、カパが過剰になっている可能性があります。
対策としては、朝の軽い運動や温かい飲み物の摂取、早寝早起きの習慣を取り入れると良いでしょう。絹の手袋を使用して乾布摩擦をする「ガルシャナ」も効果があります。
③ むくみ・水分代謝の低下
カパが増えることで、体内の水分代謝が滞り、むくみやすくなります。特に、顔や足が腫れぼったく感じる人は、カパの影響が強く出ている可能性があります。
むくみ対策としては、ショウガや黒コショウなどのスパイスを積極的に摂る、軽い運動で汗をかく、白湯をこまめに飲むといった習慣が効果的です。
春を快適に過ごすための生活習慣
一日の理想的な過ごし方(朝・昼・夜)
前のトピックでお話しましたように、春は「カパ(水)」のエネルギーが増えやすく、体の重さやだるさ、むくみなどの不調が起こりがちです。そこで、一日のリズムを整え、春に適した過ごし方を意識することが大切です。
朝の過ごし方
- 早めの起床(6時までには起きる)
日の出とともに目覚めることで、体内リズムが整いやすくなります。カパの影響が強い時間帯(朝6時~10時)に寝過ごすと、だるさや眠気が残りやすくなります。実際にカパの影響が強い時間帯に起きてみると、その後体の重さが早起きした時とは全く違ったものに感じます。
早起きする習慣のない方もいらっしゃるかと思いますが、まずは今より10分早く起きるところから始め、最終的には6時前に起きられるようになると良いですね。 - 白湯を飲んで内臓を温める
寝ている間に低下した消化力を高めるために、朝一番に白湯を飲むのがおすすめです。熱々のものではなく、20分ほどおいてから飲むのが最も私たちの消化力に良い飲み方です。ショウガやレモンを加えるとさらに代謝が上がります。 - 軽い運動やストレッチ、ヨガを行う
早朝は体が硬くなっているため、簡単なストレッチや太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)などのヨガを取り入れると血流が促進され、カパの停滞を防ぐことができます。少し体を動かしただけでも1日軽やかでいられることできます。体が重いなと思った時こそ、意識的に体を動かしてみてください。 - 朝の散歩(15〜30分):太陽を浴びながら歩くことで、体のリズムが整います。自転車通勤を徒歩に変えてみるのもいいですね。
昼の過ごし方
- 消化に良い温かい食事をとる
消化力が最も強い時間帯とはいえ、春は消化力が弱まる時期です。消化に負担がかかりにくいものを中心に食べましょう。カパには冷たい性質もあるため、その反対の性質である温かな食事を摂ることで、カパが増えすぎることを防ぐことができます。また、苦味・辛味・渋味はカパを減らす効果のある味です。菜の花、ふきのとう、三つ葉などの食材を積極的に摂るのがポイントです。
- 午後の軽い運動や散歩で体を動かす
朝同様体の重さを避けるために軽く体を動かしましょう。ヨガやジョギングなどで体の循環を良くし、むくみを防ぎましょう。
夜の過ごし方
- 夕食は消化に優しいものを20時までに
夜遅くに重たい食事を摂ると、カパが増えやすくなるため、温かいスープや煮野菜、軽めの炭水化物(バスマティライスなど)が適しています。最低でも就寝の2時間前までに食事を終わらせておくとよいでしょう。 - ぬるめの入浴で体を温める
38~40℃のお湯にゆっくり浸かることで、血流が促進され、リラックス効果が得られます。 - 早めに就寝する
カパのエネルギーが落ち着き、良質な睡眠を得るためには、遅くとも22時~23時までには布団に入るのが理想的です。日付が変わる前までには就寝し、朝早く起きられるよう準備しましょう。
早寝早起きで整える!春の理想的な睡眠習慣
春は「カパ」が優位になりやすいため、朝の眠気や体の重さが出やすくなります。そのため、早寝早起きを意識し、睡眠の質を高めることが大切です。
良質な睡眠を得るためのポイント
- 夜は22時~23時には就寝
アーユルヴェーダでは、夜22時以降になると「ピッタ(火)」のエネルギーが活発になり、覚醒しやすくなると考えられています。深夜の活動は睡眠の質を下げるため、できるだけ早めに就寝しましょう。 - 寝る1時間前はスマホやテレビを控える
ブルーライトの影響で交感神経が刺激され、眠りが浅くなりやすくなります。読書や瞑想を取り入れるのも効果的です。 - 寝る前に白湯やハーブティーを飲む
体を温めることでリラックスしやすくなります。カモミールティーやジンジャーティーがおすすめです。
冷え対策と服装の工夫(気温変化に適応する方法)
春は昼と夜の寒暖差が激しく、朝晩の冷えが体調を崩す原因になることがあります。特に、冷えはカパを増やしやすいため、適切な服装や生活習慣で対策をしましょう。
おすすめの冷え対策
- 重ね着で体温調整をする
朝晩は冷えるため、薄手のインナーやカーディガンなどを活用し、調節しやすい服装を心がけましょう。 - 首・手首・足首を温める
3つの「首」を温めることで、体全体の冷えを防ぐことができます。ストールやレッグウォーマーを活用すると効果的です。
春のセルフケア:オイルマッサージ(アビヤンガ)の効果と方法
オイルマッサージ(アビヤンガ)は、アーユルヴェーダで推奨されるセルフケアの一つです。春は体内の老廃物が溜まりやすいため、オイルマッサージで循環を促し、デトックスをサポートしましょう。
オイルマッサージのやり方
- 使用するオイル:セサミオイルやマスタードオイル(温め効果があるもの)
- 朝起きたら軽くマッサージ:湯煎したオイルを使い、全身を優しくマッサージします。オイルを塗り終えたら15分程度休憩します。
- シャワーを浴びる:余分なオイルを洗い流し、熱いシャワーで体を温めます。余裕があればゆっくりと湯舟につかり循環させます。
おすすめの呼吸法
春は心がぼんやりしやすく、集中力が低下しやすい時期でもあります。呼吸法を取り入れることで、心身のバランスを整えましょう。
- カパラバティ呼吸法(頭蓋骨を輝かせる呼吸):お腹を使って強く息を吐き出すことで、カパの滞りを防ぎます。やり方は簡単。まず背筋を伸ばしてリラックスして座ります。準備呼吸として深く息を吸い、両鼻から勢いよく息を吐きます。その後息を吸うのは意識せず、自然に吸えれば大丈夫です。1秒間に1回のペースで呼吸を繰り返し、1セット30回を2~3セット行うとよいでしょう。
- バストリカ呼吸法(ふいごの呼吸):力強い吸気と呼気を繰り返し、エネルギーを活性化させます。やり方は、まず背筋を伸ばして座り姿勢を整えます。目を閉じてリラックスし、肩の力を抜きます。鼻から 勢いよく深く吸い(お腹を膨らませる)、鼻から 勢いよく深く吐きます(お腹をへこませる)。吸う・吐くを同じ強さと速さで行い、1秒に1回〜2回のリズムで繰り返します。
春におすすめの食事と飲み物
アーユルヴェーダでは、カパのバランスを整えるために食事の選び方がとても重要だと考えられています。特に、辛味・苦味・渋味を取り入れることが春の健康維持につながります。ここでは、春におすすめの食材やスパイス、理想的な食事バランスについて詳しく解説していきます。
カパを鎮静させる春の食材・避けるべき食材
◎ カパを鎮静させる食材
カパを抑えるためには、「辛味・苦味・渋味」がある食材を積極的に取り入れることが大切です。具体的には、以下のような食材が春におすすめです。
野菜類
- アスパラガス(解毒作用があり、腎臓をサポート)
- キャベツ(消化を助け、むくみ解消に効果的)
- ブロッコリー・カリフラワー(抗酸化作用が高く、デトックスを促す)
- 春菊・セロリ・ケール(苦味があり、カパの排出を促進)
- ラディッシュ・大根・ネギ(体を温め、代謝を高める)
果物類
- リンゴ・ザクロ・イチゴ・ベリー類(渋味があり、消化を促進)
- レモン・ライム・グレープフルーツ(消化力を高める)
穀類・豆類
- 大麦・そば・オートミール(消化が良く、カパを鎮める)
- ひよこ豆・ムング豆・レンズ豆(軽くて消化が良い)
スパイス・調味料
- ショウガ・黒コショウ・シナモン・クミン・ターメリック(消化促進&カパの蓄積を防ぐ)
- 蜂蜜(カパを鎮める唯一の甘味料で、特に朝の摂取がおすすめ)
× カパを増やすため避けるべき食材
カパを過剰にしてしまう食材はできるだけ控えましょう。
乳製品・油脂類
- 牛乳・チーズ・ヨーグルト(特に冷たい乳製品はカパを増加)
- バター・生クリーム(重たく粘性があるため消化が遅い)
甘味の強い食材
- 白砂糖・チョコレート・ケーキ(体を重くし、カパを悪化)
- 熟したバナナ・マンゴー(カパを増やしやすい)
春の消化力を高めるスパイスと調理法
春はカパが増えることで消化力が落ちやすく、食べたものがスムーズに消化されずに体に溜まりやすくなります。そのため、スパイスを活用して消化をサポートすることが重要です。
◎ 春におすすめのスパイス
- ショウガ:消化力を高め、体を温める
- クミン:胃腸を整え、ガスを減らす
- ターメリック:抗炎症作用があり、肝機能をサポート
- 黒コショウ:カパを鎮め、代謝を活性化
- シナモン:血行を促進し、冷え対策にも◎
◎ 消化力を上げる調理法
- 油分を控えめにして、蒸し料理や炒め物を増やす
- スパイスを積極的に使い、胃腸を刺激する
- 冷たいものを避け、温かい食事を摂る
朝食・昼食・夕食の理想的なバランスとポイント
◎ 朝食(軽めに・消化の良いもの)
- 白湯+蜂蜜(代謝を上げ、カパを鎮める)
- オートミール+ナッツ+ベリー類(消化が良く、エネルギーを補給)
- ジンジャーティー(胃を温め、消化をサポート)
◎ 昼食(しっかり食べる・温かい食事を中心に)
- 大麦・そば+野菜炒め+豆類のスープ
- スパイスを効かせた温かいカレーやスープ
- 食べすぎを避け、腹八分目を意識
◎ 夕食(消化に優しいものを軽めに)
- 温野菜+スープ+少量の穀物(バスマティライスなど)
- 豆のスープ(ムング豆が消化に優しくおすすめ)
体を温める飲み物(ジンジャーティー・白湯・スパイスティー)
◎ 白湯+ショウガ+蜂蜜
カパを鎮め、消化を促進する最強の組み合わせ。朝一番に飲むと効果的。蜂蜜は熱すると体内で未消化物となるため、できたての白湯ではなく、少し冷めたときに入れるのが良いでしょう。
◎ ジンジャーティー(ショウガ+レモン)
春の冷えやむくみ対策に◎。食事の前に飲むと消化を助ける。アレルギー症状にも効果的。
◎ スパイスティー(シナモン・クローブ・黒コショウ・ターメリックなど)
体を温め、花粉症の緩和にも効果的。
春のデトックスにおすすめのハーブ
◎ デトックス効果のあるハーブ
- トリファラ:アーユルヴェーダの腸内デトックスハーブ
- ダンデライオン、ネトル:利尿作用があり、むくみ対策に最適
◎ 春におすすめのハーブ
- ターメリック:抗炎症作用があるため花粉症の症状を軽減できる
- ジンジャーサプリ:消化促進、体を温める効果。炎症を抑えるためにサプリメントとして摂取しても◎
- トゥルシー:免疫力を上げ、呼吸器系の炎症を鎮静させてくれます。粘液を排出しやすくする効果もあり、スムーズな呼吸をサポートします。
春のデトックス&浄化法
汗をかいて排出!春におすすめの入浴法とサウナ活用
カパが優位になる春は、汗をかくことで老廃物を排出し、体の巡りを良くすることが大切です。特に、冷えやむくみを感じやすい人は、定期的に汗をかく習慣をつけることで、スッキリと軽やかに過ごせます。
◎ 春のデトックスに効果的な入浴法
- 38〜40℃のお湯に15~20分浸かる
- エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を加えて発汗を促す
- 入浴前後に白湯を飲み、デトックスをサポート
◎ サウナの活用法
- ドライサウナ:発汗を促し、カパの滞りを解消
- スチームサウナ:呼吸器系の不調を整え、鼻づまりを改善
- サウナ後は必ず白湯や常温の水を飲む
入浴やサウナを習慣にすることで、体の内側から老廃物を排出し、デトックス効果を高めることができます。
便秘解消&腸内環境を整える春の腸活習慣
冬の間、重たい食事や運動不足が続くと、腸の動きが鈍くなり、便秘がちになることがあります。春に向けて腸内環境を整えることで、体のデトックス機能を高め、肌荒れやむくみの改善にもつながります。
◎ 春の腸活習慣
- 朝起きたら白湯を飲む
- 食物繊維を豊富に摂る:キヌア、大麦、ゴボウ、リンゴなど
- 発酵食品を意識的に取り入れる:味噌、納豆、ぬか漬けなど
- ショウガやクミンを活用し、腸を温める
春に取り入れたい日々のクレンジング習慣
◎ 舌磨き
舌の上に溜まった白い舌苔(ぜったい)は消化力の低下のサイン。毎朝の舌磨きを習慣にすることで、消化を促進し、口臭予防にもなります。
銅やステンレスのタングスクレーパーを用意して、舌の奥から手前に向かって7回ほど優しくこすると舌苔を取り除くことができます。
◎ オイルプリング(オイルうがい)
オイルうがいは口腔内の毒素を排出し、歯茎を強化したり口臭予防の効果があります。毎日行うのが大変であれば週3回程度でもOK
やり方
- セサミオイルやココナッツオイルを小さじ1杯を10分程度口に含む
◎ 鼻うがい
鼻うがいは、花粉やホコリ、粘液を取り除き、呼吸器の調子を整える浄化法です。
やり方
- 人肌程度のぬるま湯(約250ml)に塩小さじ1/2を溶かす
- 片方の鼻から流し込み、もう片方の鼻から流す(左右交互に)
- 終わったら軽く鼻をかみます
◎オイル点鼻(ナスヤ)
ナスヤは、鼻を中心としたケア方法であり、セサミオイルやアヌタイラと呼ばれる薬用オイルを鼻腔に滴下する伝統的な療法です。副鼻腔に溜まった老廃物を排出させ、特に花粉症の症状緩和に役立ちます。
やり方
- 鼻の奥までオイルが届くように、顎を上げる
- 温めたオイルを片鼻ずつ2滴垂らす
- オイルを吸い込むようにして鼻腔全体に行き渡らせる
- オイルがのどに流れてくるので、ティッシュなどに吐き出す
春のメンタルケア:気分の浮き沈みを整える方法
◎ 春は気持ちが不安定になりやすい?
春は気候が変わりやすく、日中は暖かいのに朝晩は冷える日が続きます。また、新生活のスタートや人間関係の変化も重なり、無意識のうちにストレスを感じやすい時期です。アーユルヴェーダでは、この不安定な状態は「カパ(水)」と「ヴァータ(風)」の影響によるものと考えます。
- カパの影響 → だるさ、やる気の低下、無気力感
- ヴァータの影響 → 落ち着かない、不安感、緊張
これらのバランスを整えることで、心を穏やかにし、春を快適に過ごすことができます。
◎ 気分を整えるための具体的な方法
① 朝日を浴びて体内リズムを整える
朝起きたら15分ほど太陽の光を浴びることで、セロトニン(幸せホルモン)の分泌が促され、気分が前向きになります。朝の軽い散歩やストレッチもおすすめです。
② ヨガや呼吸法を取り入れる
- 「太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)」で体を温め、カパの停滞を防ぐ
- 「カパラバティ呼吸法(火の呼吸)」で脳をスッキリさせる
- 「ナディ・ショーダナ(片鼻呼吸法)」で自律神経を整える
③ 温かい飲み物でリラックス
気持ちが落ち着かないときは、スパイス入りのハーブティー(ジンジャーティー、シナモンティー、カモミールティーなど)を飲んで、心をほぐしましょう。
部屋の掃除&断捨離で春をスッキリ迎える
冬の間に溜まった物や不要なエネルギーを手放し、春に向けて新しい空間を作ることは、心身のデトックスにもつながります。アーユルヴェーダでは「似たものが似たものを増やす」という考え方があり、散らかっている状態をそのままにしておくと、さらに散らかった状態を呼び込んでしまいます。物を溜め込みエネルギーを停滞させないためにも空間を作っていきましょう。
◎ 断捨離のポイント
- 「1年以上使っていないもの」を処分する
服、本、キッチン用品など、長く使っていないものは「今の自分に必要なものか?」を考えながら整理しましょう。 - 写真を摂ってから捨てる
中々捨てづらい思い出の品は、写真を撮ってから捨てると断捨離が捗ります。
◎ 掃除で空間を浄化する
- 天然のアロマスプレーを使う(レモン、ユーカリ、ティーツリー)
- 床や窓を拭いてエネルギーの流れを良くする
- ホワイトセージやお香を焚いて浄化する
春におすすめの香り(アロマ・お香)で気分をリフレッシュ
香りはダイレクトに脳に働きかけ、気持ちを整える効果があります。春の気候に合ったアロマやお香を取り入れることで、気分をリフレッシュし、穏やかに過ごせます。
◎ 春におすすめの香り
① 元気を出したいとき
- グレープフルーツ・レモングラス(リフレッシュ効果)
- ペパーミント(集中力UP)
② リラックスしたいとき
- ラベンダー(心を落ち着かせる)
- カモミール(ストレス緩和)
③ 浄化&デトックスしたいとき
- ホワイトセージ(空間をクリアにする)
- サンダルウッド(心を落ち着ける)
香りを使ったルームスプレーを作ったり、お風呂に数滴垂らして香りを楽しむのもおすすめです。
まとめ:春を健やかに楽しむために
春は「浄化」と「新しいエネルギー」を迎える大切な季節です。アーユルヴェーダの視点から、春を快適に過ごすための習慣を取り入れ、心も体も軽やかに整えましょう。
生活習慣を一気に変えようとしたり、完璧にこなそうとすると、ストレスになりがちです。白湯を飲む、朝の光を浴びる、少しだけスパイスを取り入れる—そんな小さな一歩が、心身のバランスを整えるきっかけになります。自然の流れに身を任せながら、自分に合った方法で、春の訪れを心から楽しんでみませんか?
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ライター&編集担当

東京都出身。気になることはすぐ確かめたくなる好奇心旺盛のヴァータ体質。
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コロナ禍での体調管理をきっかけにアーユルヴェーダに出会う。自律神経の乱れやPMSなど、それまで悩んでいた不調にも対処できることがわかり、学びを深める。知識が増えるにつれ体調を崩すことが激減。身体が弱いと思っていたがセルフケア不足だったことに気づく。
現在は自分の体の変化を楽しみながらアーユルヴェーダを実践中。
おだやか、ていねい、マイペースな人生を送ることが目標。
英国アーユルヴェーダカレッジ56期卒業
アーユルヴェーダビューティーセラピスト/ライフカウンセラー